第7話 薔薇の精 Le Spectre de la Rose

バレエ『薔薇の精』

Le Spectre de la Rose

曲:カール・マリア・フォン・ウェーバー

振付:ミハイル・フォーキン

初演:モンテカルロ歌劇場 一九一一年


登場人物

少女

薔薇の精


テオフィル・ゴーティエの詩

わたしは薔薇の精、

昨晩の舞踏会にあなたが連れていってくれた


(物語)

全一幕

少女は胸にバラの花を飾って、初めての舞踏会に行きました。

初めての舞踏会で勝手がわからず、だれとも踊ることができず疲れて帰ってきます。

部屋の戻った少女は窓際の椅子にすわって眠ってしまいます。

飾っていたバラの花が床に落ちると

穏やかな風とともに窓から薔薇の精が飛び込んできます。

薔薇の精は舞踏会に連れて行ってくれたお礼に少女と楽しく踊ってくれます。

楽しいひとときを過ごした少女。

薔薇の精はやがて窓の外に飛び出していきます。

目覚めた少女は、それが夢の中の出来事だったことに気が付きます。

バラの花を拾い上げ、薔薇の精を思い出します。

楽しい舞踏会を感じさせてくれたバラを大切に胸に抱きしめて……


舞台は幕を下ろします。


~~~~~~

「薔薇の精」というバレエ

 この作品はバレエ・リュスによって初演されました。

 当時、ヴァーツラフ・ニジンスキーとタマーラ・カルサヴィナが踊り人気の演目となりました。

 今でもいろいろなバレエ団でプリンシパルダンサーによって踊られています。


 いろいろなプリンシパルダンサーが踊りますが、個人的には当時パリオペラ座のエトワールだった、マニュエル・ルグリ先生の薔薇の精が一番好きです。

( ※パリ・オペラ座ではプリマ、プリンシパルは「エトワール」 )

 はじめの方で椅子にすわった少女の後ろから薔薇の香りを漂わせる腕のうごきが一番好きです。

全編通して腕の動きが繊細で一番好きですね。

でも、やはりパリ・オペラ座のエトワールたちは腕の使い方が繊細だね。


 まあ、パトリック・デュポン先生の場合、少女(女性)と踊らずに、自分だけ踊って窓から出ていくというこの演出。薔薇の精が一人で陶酔しきっている……という感じも否めませんが……でも何かを残していく感じ好きです。

デュポン先生なら、「あり」でしょう。

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