第22話 「伝説の剣」

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名前:???

種族:デミゴッド

年齢:19歳

パッシブスキル:神獣の毛皮・神殺しの凶爪

アクティブスキル:金羊毛の毛皮

職業:戦士

身長:272cm

体重:202kg


攻撃:A

防御:???

素早さ:B+

魔法:C

賢さ:C+

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 獅子のステータスカードを見て俺は目を疑った。目を疑う程の大きな図体とは思ったが、よもや2.7m程もあるとは……。防御もカンストしているのか、A++でもEXでもなく"???"と表記されている。


「改めて見ると本当にバケモノだな、コイツ……」

「半神半獣って事……?それに神殺しの凶爪って……」

「ただの亜人さんじゃないんだね、やっぱり……」


 重い空気が俺たちへ圧し掛かる。それを見てか、小夜が次の資料を見せてきた。


「ネメアの人食い獅子は、原初の転生者である主神ゼウスの娘であることが分かっています。それと、彼女には同じ獅子の兄がいたそうです」

「ゼ、ゼウスの娘!!?」

「あら、知っているのですか?」

「あ、当たり前だろ!!!ゼ、ゼウスってギリシャ神話の……!」


 信じられない名前を聞いた。マルクルの斥候が調査した結果判明したのは、ネメアの獅子の生みの親は、オリンポス十二神が主神、ゼウスだというのだ。ギリシャ神話に登場する天空の神であり、神々の王だ。


「もしかして、わたしが転生するときに会った、あのムキムキでもじゃもじゃのお爺さんがゼウスさん…?」

「アタシも会ったよ。なんか厳つくてヤクザかもって思ってたけど、そんなにすごい奴なの?」

「当たり前だろ!俺らと同じ世界から転生してきたマジモンの神様だぞ!しかも世界一有名な神話の神様の王様と来てやがる…!」

「へ、へぇ……。ネメアの獅子はそんな御方の娘さんという訳だね……。とんだご息女様を相手に喧嘩売っちゃったんだね、アタシたち……」


 サクラが顔を引きつらせて苦々しく笑っている。


「ど、どうしよう、アズマくん……。わたしたち勝てるのかなぁ……?」

「……一応、マルクル様はネメアの人食い獅子に対抗する手段を用意なさっています。しかし、それを手にするには大いなる苦難が待ち受けていることでしょう。貴方たちにその覚悟はありますか?」

「な、なんだよ。オリンポスの神を相手に魔族が結託するっていうのか?」

「いいえ、獅子はゼウスを憎んでいます。オリンポス?の神が敵に回る事はないでしょう」


 大仰な反応をする俺たちにやや引き気味な反応を見せる小夜。俺は神が実在して、俺たちと同くこの世界に存在することにすごい驚いてるのだが、小夜はそれが分からないらしい。


「エメラルドソード……。今回、貴方たちにはそれを探してもらいたいと思っています」

「エメラルドソード…?」

「マルクル様の父君であり、先代の魔王を打ち倒した伝説の剣です。……古の勇者が手にした伝説の剣を、あなた達に探してもらいたいと、マルクル様は考えておられます」


 ネメアの獅子を倒すためには、先代の魔王を滅ぼしたと言われるエメラルドソードを復活させる必要があると、小夜……マルクルは言っている。わざわざ獅子の討伐のために、自分の父親を滅ぼした剣を復活させるとでも言うのだろうか?


「自分の父親を打ち倒した剣を探せっていうのか?良いのか?そんな事して」

「マルクル様がそうお望みになっておられます。神々の子、ネメアの人食い獅子を打ち倒すには、先代の魔王を打ち倒したエメラルドソードしかないと、マルクル様はお考えになっているのです。貴方たちにはその役目を担ってもらいます」


 続けて小夜が言う。


「マルクル様は、父君である先代の魔王を滅ぼしたエメラルドソードを恐れていました。ただの人間を、魔王を滅ぼすほどの力を授けた伝説の剣を…」


 一間を置いて、小夜が続ける。


「険しい谷を渡り、遥かなる平野を超えた先にある洞窟に、彼の剣が祀られています。その洞窟の門を開くための、3つの鍵を探しなさい。その秘密の祭壇を開き、太陽の威光がドラゴンの瞳を照らす時、エメラルドソードは貴方たちにネメアの獅子を討伐するだけの力を授ける事でしょう。エメラルドソードには、それだけの力が備わっています」

「………」

「さぁ、行きなさい。どのような困難にあっても、魔王軍があなたたちをサポートします。ネメアの人喰い獅子を討つのです」


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