いざ帰還
「もうちょい居てもいいんですよ?」
「流石にそろそろ家族に顔ださねぇとまずいし...」
「まぁそれもそうですね...」
「じゃあな、また元気な姿を見せてくれよ?」
「先輩の前ではいつだって元気です!」
そんなことを言って彩葉の家を後にすることにした...
「家に帰るまで結構時間かかったが、大丈夫だろ!」
そんな親が厳しい!とか言う家庭ではない。
どっちかと言うと優しめだが、かなり仕事が忙しいらしく帰ってくる時にはもう夜、みたいなこともある。
そのため話す時間はあまりない。
「ただいまー」
そう言いながら玄関を潜る。
「おにぃ!」
「グホッ!」
この俺に抱きついてきたのが、“
「お兄ちゃん病み上がりだからちょっとだけ離れようか?」
「嫌!」
「そう言われましても...」
「おにぃが帰るの遅かったのが悪い!」
「それはそうかもしれないが...」
だからと言って抱きつくのは...
そろそろ兄離れさせないとな。
小鳥は極度のブラコンでいつもくっついてくる
「てかそんなんなら病院来ればよかったやん!」
「ちょっと時間がなかったの!」
「俺より大切な人ができだんだな...お兄ちゃん感激だよ!」
「そう言うわけじゃ...」
「わかってるよ、部活忙しいんだろ!」
「わかってるなら揶揄わないでよおにぃ...」
「すまんすまん!」
いい反応するからつい揶揄いたくなっちゃうんだよな。
「それよりさ、おにぃ!」
「ん?なんだ?」
「何か他の女の子のにおいするよ?」
「気のせいじゃないか?」
「私がおにぃのにおいを間違えるわけないじゃん!」
俺の妹が怖いよ...
そんな自信をもって怖いことをしゃべらないでくれ...
「いやぁ~?看護師さんとかじゃない?それに俺に女の子との絡みがあると思う?」
「それよりもっと強いにおいがするんだもん!」
鋭いな、そんなに詳しくわかるものか?
「おにぃ嘘つかないでちゃんと話して!」
「そんな兄の女子関連の話気になるの!?」
「おにぃの彼女とかをちゃんと見てあげるのも妹の役目です!」
「そこまで妹ってでかい存在なの!?」
「おにぃが変な人と付き合ってたら困るし、おにぃは私のだから...」
「そっ、そうか...」
「いつだって禁断の恋の準備はできてるよ?おにぃ」
「いやぁ~早くご飯食べるか!」
「強引にずらそうとしてるね、まぁいいけど...別に本気で言ってるわけでもないし...」
何とか回避することに成功した...
その後は小鳥が作ったご飯を食べ、寝る前の準備や、ここ最近寝てたせいでできなかったことを、やることにした。
そうやって一通りやることを終えた俺は久しぶりに勇也に連絡をかけていた。
『聞こえるかー!樹』
「聞こえてるからそんなでかい声出すな勇也!」
『俺も心配だったんだぞ?樹のこと』
「それはうれしいが、そこまで重症じゃなければ、後遺症が残るような傷の入りようじゃなかったから大丈夫だぞ」
『まぁそれは知ってたが...あんなこと次はすんなよ!』
「それは確証はできない...」
『そうか...』
「まぁ、今生きてて誰も亡くなってない現状に喜ばないと!マイナスな面だけ見てても何も起きないからな!」
『それもそうだな、てか話変わるがお前は明日から学校来るのか?』
「予定としてはそうなるな、負傷してるのは左腕だけだから、勉強にはそこまで支障ないだろうし...」
言い忘れていたが俺は右利きである。
だから左腕にわざと喰らったって面もあるが...
『それなら明日必要なもんとか教えてやるよ!』
「それはありがたいな!」
それ以外にもクラスの状況や、広がった勇也の人脈の話や、俺に対してもっと友達必要なんじゃないみたいな話もしてきた...
『あっ!そうだ、彩葉ちゃんとはどうなった?』
「どうなったとは?」
『今日そっち行ってたんだろ?』
「なんで知ってんだ!?」
『いや最近彩葉ちゃんが樹のことについて色々調べてたりするって言うから、おまえの唯一の友達である俺が答えてやったんだよ!』
「ちなみにどういうことを?」
『お前のタイプだったり、性癖だったりだな!』
こいつほんとに今度会ったとき覚えておけよ!普通本人の許可すらなしでそんな話異性にするか!?
『それでそれで?彩葉ちゃんは可愛いかったか?」
「それは...まぁ...」
『ほうほう...全然樹目線からしてもありな感じか!』
「うるせぇ!まずそんなことにはならねぇよ!」
『ほんとかなぁ~?俺はそうは思えないけど?』
「もう切るぞ!あばよ!」
そういって俺は通話を切った...
「はぁ...今日は結構寝れそうだな」
一日の疲労がたまっておりすぐ寝れそうな気がした...
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