久しぶりのシャバ
俺は起きた翌日には、もう退院することができたのだが、外に出たらマスコミが情報を欲しがって俺の周りにうじゃうじゃ湧いてくる。そうやら病院の前でガン待ちしてたらしい...迷惑がかかるだろほかの人に...
「だから俺は何回も言いますけどそんな細かいとこまで見てないですし!俺はただあのオッサンと戦っただけなんです!聞くなら俺じゃなくてその現場を周りから見てた人に聞いてくださいよ!」
「そういうわけにも行けないんだよね、それに君がナイフや銃を持った人と戦ってとらえられるとは思ってないんだよねぇ」
「とか言われましても、俺は嘘をついてないのでこれ以上言うことはないですよ...」
はぁ、早く終わってくれねぇかな...
嘘をついてないし、これ以上言うこともないんだよな...
「でもなんの成果も持たずに私たちは帰れないんだよ~」
「別にあなたたちの事情なんて俺には関係ないので!」
そろそろうんざりしてきた...
「先輩こっちです!」
「え?」
そういって急に現れた彩葉に引っ張られた...
「あぁいうのは抜ける方法があったりそもそも囲まれないようにする方法があるんですよ!」
「そういわれても...」
「てか出る前に私に連絡みたいなものが欲しかったです!」
「いや彩葉の連絡先持ってないし...」
「そうですね...じゃあこれ早く登録してください!」
そうやって、連絡アプリのQRコードを見せてきた...
「いやいやそんな簡単に男に連絡先を渡しちゃダメだって!」
「先輩なら変なことに使うこともないと思いますし、私も普段から先輩に連絡したいですし...」
「そういうことなら...ほんとにいいの?」
「別にいいんです!」
俺は大人気アイドルの連絡先をゲットしてしまった...
多分人によっては結構な高値で売れるだろう、別に俺はもらっても売らないけど...
「どんどん話しかけてきていいですよ!先輩!」
「俺はまずこのアプリ開かないからなぁ...」
「じゃあ私から話しかけてあげます!」
「別にいいけど...」
彩葉もそんな暇ではないだろう...
別に俺が大変になるくらいの頻度で連絡が来ることはさすがにないであろう。
「なら毎日話しかけちゃいます!」
「まぁそれは好きにしてくれ...」
「やった!」
「ただ...いつでも連絡できる暇あんの?」
「結構あるんですよ?」
「へぇ~」
「それに高校生になって仕事も減りましたし...」
そっか、まぁただの高校生にそんな多くの仕事をさせることはないだろうしな...
中学の頃はどれくらい仕事をしていたのか知らないが、少なくとも今は疲れてはいないように見えるから、無理はしていないのだろう。
「てか、ずっとこんなとこで話すのもあれなんで、先輩の家に行きましょう!」
「ずいぶん急だな!」
「それとも私の家に来ますか?全然ウェルカムですよ!?」
「ちょっと彩葉の家は興味あるな...」
「わかりました!じゃあついてきてください!」
「え?」
「ここで待ってたらくるんで、ちょっとだけ待ちましょう!」
「何が来るの?」
「それは来るまでのお楽しみです!」
そうしてやってきたのは、黒光りしている高級車であった...
「彩葉、これは?」
「私の車です!」
「免許持ってないよね?」
「もちろん!試験も受けれないですし、周りに乗れる人もいないので、それ用に人を雇っているんです!」
「なるほどなぁ~お金ってすげぇや」
「全部私が稼いだお金で出してるんですよ?」
流石大人気アイドルやな...
人気になればこんな生活ができるのかよ...ほかのアイドルとかは全くわからないが、みんなこんな感じなのだろうか?
そうして車の扉が開き彩葉が乗っていった...
「先輩も早く乗ってくださいよ?」
「おっ、おう...」
そうして車に乗せられた。
乗り心地はすごく快適で、いつでも寝れそうだった...
「先輩が毎日乗りたいっていうなら、全然毎日迎えに来ますよ?」
「それは魅力的だが...車はちょっとな...」
「それじゃ歩きで行きましょう!これからマスコミが追ってくるかもしれませんから、その時に私がいると結構助かると思いますよ?」
「ん~確かに...」
「マイナスはないんですよ!?」
実際マイナスはないんだが...
「彩葉側にもいろいろ問題があったりするんじゃないのか?」
「そういうのは気にしないでください!」
「それなら...そうだな来てくれるなら頼みたい」
「やった!」
「明らかに喜んだな?今」
「先輩と一緒に登校できるのがうれしいんで!」
「今更だけど、なんでそんなに俺と一緒に居たがったりするんだ?」
「ん?だから先輩のことが好きだからですよ!」
「そんなこと言われても揶揄ってるようにしか聞こえないよ?」
「むぅ、揶揄ってるつもりはないんですけど...」
「まず俺に魅力的な部分なんてないし...」
「それは間違ってますよ!先輩!」
別に間違ったことを言ったつもりはないが...
昔から彼女もできたことがなければ、友達すらいないし...
「先輩は魅力的な男性ですよ?少なくとも私の目には誰よりも輝いていて、かっこよく見えます!」
「まぁ、そういってもらえて感激だが...」
「そんな先輩が大好きなんです!」
「そんなこと言うなって...」
「さっきは揶揄ってるようにしか聞こえないって言ってたのに...先輩照れてます?」
体がどんどん熱くなっていく...
「うるせぇ...照れてない」
「今日のところはそういうことにしてあげます!その代わり...」
「え!?」
彩葉が頭を俺の肩に乗せてきた...
「今日降りる時までは、こうしててください!」
さらさらとした髪が顔にぶつかってきて、その香りが俺の鼻を通ってくる...
「ちょ!流石にこれは!」
「恥ずかしいですか?大丈夫です外からは見えないので!」
「そういう問題じゃ!」
「ダメ...ですか?」
涙目でこっちを見てきた...
「ダメ...じゃないけど...」
「どんなことをしても許してくれる先輩ががやっぱり大好きです!」
「そんなに顔を近づけてそんなこと言わない!」
「は~い」
彩葉のやることは何もかもがずるいな。
そう思う時間だった...
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