第19話 そうだ、メイドを雇おう
「正妻候補のシグだ!隣にいるのが姉のベータ、姉共々よろしく!」
今日はオイナー達とアマゾン侯爵姉妹の初顔合わせだ。
「正妻候補って…ベータさんが正妻になるんじゃないのか?」
「もしシグさんが正妻になるなら私たちもそれに合わせて結婚しなきゃいけなくなるね」
オイナーはどこか反対そうな顔だがクーカーとタインは気にしていない様子。
「でも11年後に結婚は遅いよな?」
シグは5歳、結婚できるのは11年後。その時クーカーとタインは25歳となる。どちらにせよ若いような気がするけど。
「正直私はシグさんを正妻にした方がいいと思う」
クーカーの意見に同意するように頷くタイン。
「それは外交的にか?」
「そう、ベータさんは向いてないと思うの」
「仕方ない、シグを正妻にすることも視野に入れとくか」
できればシグみたいな気遣いができる子はケイ君の嫁さんにしてやりたいけど。
「話が分かる姉さん達で良かったぜ!」
「それは良かった」
クーカーとシグは握手する、2人は意外と気が合うのかもしれない。
話は変わるが今日から家事を当番制にしたいと思う。つい最近までは炊事洗濯全て俺がやっていた。あれ?俺ここの領主だよね?
洗濯や掃除は誰でもできるから当番制にして、料理は得意な人の中で当番制とする。
料理が得意なのは俺、クーカー、タイン、そして意外にもベータも料理が得意なようだ。あと、手伝いとしてシグも参加する。
いつかメイドか執事を雇いたいな。
「いつかじゃなくてすぐ雇えよ!」
オイナーの言う通りだ、金がないわけじゃないんだから渋るのはやめよう。
「じゃあオイナーが王国に行ってメイドを雇ってきて」
「了解!ここからは家臣の仕事だな!」
転移魔法でオイナーを王国に連れて行きメイド勧誘をさせる。
「それじゃあ明日また迎えに行くから」
別に直接勧誘しに行く必要はないほどにメイド希望や執事希望がこちらに送られてくるが少し危なそうだ。
もしかしたらこの広大な土地を奪おうと考える輩が混じっているかもしれない。それを危惧して直接スカウトをすることにしたのだ。
さて、メイドのスカウトはオイナーに任せて俺はこの土地に建設物を建てる予定を立てる。
まずはメイド達の家を作ろう、クーカーやタインのように寝室に侵入されても困る。
こういう時のために建築魔法という便利な魔法があることを知り、王国から魔導書を借りて試してみる。
まず、木、石をあらかじめ同じようなサイズに整える、この下準備をしなければ建築魔法は使えない。
「建築魔法ですか…?」
「ああ、タイン。今日はクーカーの無人島探索について行かないのか?」
「はい、少し疲れちゃいまして…」
確かに無人島探索をして2日くらい普通に家に帰ってこないくらいだから、探索が好きじゃない限り身体が休まらない。
「そっか、タインも建築魔法やってみるか?」
「普通におっしゃいますけど、私は身体強化の魔法しか使えません…よ?」
確かに俺みたいに多彩な魔法を使える人間は誰もいない。でも、練習すればできるようにならないのかな?
魔法によって積まれた木と石宙に浮く、そして俺が頭の中で想像した家の形通りに木と石が組み立つ。
コンクリートでできた俺の家には見劣りするが、今はメイドが住めれば十分だ。もちろんこの場にコンクリートがあればそれで家が作ることが可能だ。
見た目は普通の平家で5人くらい余裕で住めるような設計にした。
家は建てた、次は他の地からこの無人島に行く手段を作らなければいけない。ビルダーさんから魔道船を使うという提案を受けた。
ビルダーさんの話によるとこの無人島周辺の海から特殊な魔力の流れを感じるとのこと、魔道船でその魔力を制御したら無人島に着くかもしれないということだ。
問題は魔道船を手に入れる方法だ。魔道船は100人以上が余裕で入れるように設計されているのがほとんどだ。お値段は白金貨100枚超えと言った所だ、払えないことはないがこの無人島発展を優先にしたいから後回しだ。
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