第16話 国王陛下謁見&無人島再び
国王陛下様は猿みたいな顔だった。豊臣秀吉が異世界に転生したんじゃね?
「貴殿は今日からモリヤマの姓を受け渡す。そして、軍神赤兎馬を倒した証の勲章『軍神勲章』、加えて伯爵の地位を授ける」
わお、いきなり騎士爵、準男爵、男爵と3つも飛ばしてしまった。
地位は置いといて、軍神勲章は赤く輝いていてとても綺麗だ。これを胸に付ける。うん、かっこいい。
謁見は15分程度で終わった。だが、実際は1時間くらいかかってんじゃないかと思うほどに精神が疲れた。
俺も貴族になった。つまりは領地を探さなければいけない、俺は無人島を領地にする予定だ。
既に無人島の領主がいないか確認を依頼してもらった。結果は分からなかった。実際は無人島の場所が判明しなかったのだ。
ブランク男爵家から5日ほど海を渡ると無人島があると伝えたはずだがやっぱり見つからない。
これは俺も一緒に行こう。だが、やっぱり無人島に着かない。どうしてだろうか?
「全然見つからない…」
「おい、本当に無人島があるのか?」
俺とビルダーさんは無人島を探している、もう1週間も経っている。
だが、今日ついに事が起こる。ブランク男爵領に流れ着いた時のように荒波に呑み込まれた。
「これは…」
「どうしたモリヤマ伯爵!」
伯爵になってからビルダーさんから姓と爵位で呼ばれるようになった。なんかモリヤマ伯爵って違和感ありまくりだよね。
俺は無人島に着くと確信して荒波に身を任せるのだった。
「ここは…」
「俺の故郷の無人島、間違いありません」
周りに俺が試行錯誤して作っていた筏などが転がっている。間違いない俺の産まれ故郷だ。
「うん、これは間違いなく無人島だな。じゃあモリヤマ伯爵の領地にしてもいいな」
適当な気がするが実際人が住んでないから俺が領主になっても誰も文句は言えない。
無人島は見つかった。次はこの領地に住む者を集めなければいけない。だが、何も知らない他人を領民にするのはとても危ない。それに、この無人島に来るには荒波に呑まれなければ行けない。
「なあ、モリヤマ伯爵なら転移の魔法使えるんじゃないか?」
確かに練習すればできそうだ。転移魔法はその名の通り頭の中で想像した場所に行ける。だが、一度行った所しか転移できない。
「教えてくれますか?」
3回も荒波に呑まれたくない俺はビルダーさんに転移魔法を教えてもらうことにした。
「言っておくが、俺は転移魔法が使えるわけじゃないからな?やり方を教えるだけだ」
ビルダーさんに転移魔法の使用方法を教えてもらって1時間、なんと転移魔法で魔法学校に転移できたのだ。こんなに簡単にできていいのか?
「恐ろしいくらい魔法の才能があるな」
転移魔法が成功したのはいいが、いつまでも転移魔法に頼ってはいられない。無人島に行く安全法をいつか考えないとな。
とりあえず領民としてオイナー、クーカー、タインが一緒に無人島で暮らしてくれるらしい。無人島を発見し早速モリヤマ伯爵邸を建てよう、と思ったが新しく建築するのは費用と時間がかかる。
軍神を討伐した報酬は、一生遊んで暮らせるくらい金をもらっているが散財するのは好ましくない。モリヤマ伯爵邸は王国に建っている売り領邸を購入し転移魔法を使って無人島に転移させることにした。
「それにしても、変わった実がなってんな」
どうやらりんご、梨、バナナ、ブドウは珍しい果物らしい。そういえば王国でもフルーツという物はあまり見なかったな。
1ヶ月かけてようやく無人島に領邸が建ち人が住めるようになった。なんか一から領地を作るとかおいでよ!なんちゃらの森みたいだな。
早く信頼できる人を見つけてこの無人島の領民になってもらおう。
今日初めてオイナー、クーカー、タインを無人島に呼んだ。
「本当にモリヤマ伯爵邸しか建ってないな」
「いいじゃん!この無人島を好きに開拓しちゃおう!」
「人があまりいなくていい…」
うん、オイナー以外はいい反応をしてくれる。そう言えば国王陛下に謁見した後タインにプロポーズする予定だったけど忘れてたな。
学校についてだが、転移魔法で通うことにした。もっとも俺とクーカーはもう学校に行かなくてもいいと言われているが、オイナーとクーカーが可哀想だから一緒に通うことにした。
俺とクーカー学校に行っても授業は受けていない、2人で魔法をぶつけ合っていた。たまに魔法を使わず剣で戦ったりで切磋琢磨していた。
忘れてだけど、魔法学校に通っている理由は弓の師匠ボーロ様の娘、スカイラ様に魔法を教えるためだったんだよな。
よし、ボーロ様やスカイラ様には申し訳ないけど知らんぷりしよ。そもそも口約束だし。
でも弓の使い方を1年も教えてもらったしな…スカイラ様の家庭教師くらいはしてやるか。あとデアンヌの息子のケイ君の魔法指導もしなきゃ、いずれにせよ5年くらい先の話しだ。ゆっくりその時を待とう。
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