特別1話 無口な少女
私の名前はタイン、13歳。クーカーお嬢様の従者です。
多彩なクーカーお嬢様とは違い私は魔力を使った身体強化しかできない。でも、クーカーお嬢様はそれを褒めてくれるのです。所詮従者の私をこんなに優しく扱うなんて、私は例え世界中が敵になってもクーカーお嬢様だけは守ろうと決意した。
13歳になりクーカーお嬢様と私は魔法学校に入学した。本当は私は魔法学校に通える身ではなかったのですが、クーカーお嬢様がお館様を説得して魔法学校に通えるようになりました。
魔法学校では初日からパーティーを決め出していてクーカーお嬢様めもちろん色々な方から誘われていますが、私も一緒にと話すと誘ってくださった方々が離れる。
見た目が不気味というのは理解できています。髪の毛をこんなに伸ばして、猫背。私と目が合えば相手は苦笑いになる。ほら彼だってそうだ。
クーカーお嬢様に続き剣で準主席合格をしたクーカー・リバイン。でも、彼の隣にいた同じく魔法で準主席合格をしたショウ様は違った。
『タイン、よろしく』
優しく手を差し伸べてくれたのです。彼の対応は尊敬します。私は尊敬の念を込めて様呼びをしています。この前初めてシヨウ様の名前を呼んだのですがとても喜んでくれました。
しばらくして、衝撃の事実を知ってしまった。オイナー・リバインが私のことが好きだとクーカーお嬢様がおっしゃいました。
『まあ私に任せて!』
軍神討伐に出かけた際クーカーお嬢様が仕掛けやがりました。まったく、相変わらずお嬢様は余計なことをなさる。
私、ビルダー様、そして忌々しいオイナー・リバインで狩りに行くことになり、クーカーお嬢様が事情をビルダー様に話したのか私とオイナー・リバインが2人きりになってしまう。
『あー2人きりになっちまったな』
私はオイナー・リバインの言葉を無視しました。あの時の嫌そうな顔忘れませんよ、私は意外と根に持つタイプなんです。
それはそうと、もしかしてクーカーお嬢様はシヨウ様に好意があるのでは?素晴らしいことです。私は精一杯2人の恋のキューピッドを致しましょう。
ほら、楽しそうにクーカーお嬢様とシヨウ様が横に並び料理をしています。絵になりますね。クーカーお嬢様はもちろんのことシヨウ様もなかなかお顔が整ってらっしゃるので。
2人の恋のキューピッドになろうと決意し、すると同時に何故かシヨウ様が私にウィンクをした。あっ、分かりました任せてください!
私は食後、ビルダー様と小汚いオイナー・リバインを連れ出し森の中へ。
「おい、タイン!どうした?」
「クーカーお嬢様と、シヨウ様のため…」
オイナー・リバインはどこか引っかかる表情になった。でも、すぐに表情は笑顔になる。
「そういうことかい、タイン君なかなかやるじゃねぇか」
事情を理解したビルダー様は私を褒めてまたいなくなった。しまった!ビルダー様はオイナー・リバインが私のことが好きだと思っているんだった!オイナー・リバインは絶対クーカーお嬢様に気がある。そうはさせませんよ。
私はオイナー・リバインから離れて木の影からクーカーお嬢様とシヨウ様の様子を覗く。
「2人がうまく行くといいねー」
「そ、そうだね」
やっぱり2人は絵になるな。でも、シヨウ様の表情が少し硬いような感じがする。
そんな素敵な時間を過ごしていたのですが、事態が急変した。いきなり大地が大きく揺れ出した。
「おい!軍神が出てきちまったぞ!すぐに王国に行くぞ!」
私たちは馬車の中で睡眠し、軍神に挑むのであった。
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