第14話 軍神討伐作戦会議
「と言うことで俺が死んだら遺産は全てケイ君に」
早くも遺産相続の話を持ちかける俺、死ぬ気の覚悟だ。もちろん軍神に勝つため精一杯足掻きますけど。
「死なないでねシヨウ君」
俺を心配してくれるのはあなただけですよデアンヌさん。バイオン様なんて軍神と戦うこと言うと羨ましそうにしてたから。魔法が使えないあんたじゃ勝てねーよ。
さて、今日は軍神赤兎馬討伐の作戦会議をする。メンバーは俺、クーカー、タイン、ビルダーさん、ついでにオイナー。
オイナーは見届け人、俺が死んだ時の遺体回収が役目。
「お願いだから死ぬなよ…友達の遺体なんて回収したくねぇから」
タインは俺に身体強化の魔法をかける役目。キングホッパーの背後蹴りにも耐えられるんだ、相当ありがたい。
クーカーは弓でライジングショットを打って援護。ライジングスピアを投げると槍の数が足りない。
オイナーさんは回復担当。意外にもオイナーさんは戦闘タイプじゃないらしい。
「なあ、シヨウ。本当にお前なら勝てるから心配すんなよ」
彼は何故そう言い切れるのだろうか?ビルダーさんの長年の感なのか?
「俺もシヨウなら勝てると思う」
オイナーも同意見のようだ。クイーンホッパーを倒した時使った氷の刃を使えば余裕だろとオイナーは言う。
確かに刺して氷漬けにするのは楽だが、今回は軍神赤兎馬にあまり傷を付けないように戦わなければいけない。
幸い軍神は雷の魔法に弱い。俺はライジングソードをクーカーから教えてもらい。感電させて軍神を倒す予定だ。
さて、作戦会議もここらでお開きにしてあらかじめ軍神が早く出現してもいいように王国に向かった。
バイオン騎士爵邸から王国までは約2日かかる、俺たちはビルダーさんが手配した馬車に乗った。
「嫌な話ですけど、馬車で移動中、王国に軍神が出たらもう終わりですね」
「おい!オイナー!縁起でもねぇこと言うな!」
ビルダーさんが変なことを言うオイナーを拳で殴る。オイナーは思ったことがすぐ口に出る、その癖直せよ。
そういえば馬車って初めて乗るな。乗り物酔いはあまりしないタイプだけど馬車はどうなんだろうか。
馬車めっちゃ揺れるな…馬車に乗ってまだ10分くらいしか経ってないんだけどなんか気持ち悪くなってきた。
「なぁ、シヨウ。お前もしかして馬車苦手なのか?」
オイナーが俺に吐くなよと言わんばかりの表情をする。もしこの場所にクーカーとタインが乗ってたら我慢するが、残念だな、二人は別の馬車に乗っている。
「おい、まさか…」
ビルダーさんとオイナーの表情が暗くなり出した。ごめんなさいビルダーさん、オイナー。
そんなトラブルもあったが日が暮れ、野宿することになった。野宿は1日だけだ。
無人島ぶりの野宿、周りに仲間がいるから無人島にいた時よりかは幾分マシだ。
今夜の夕食は、食材はビルダーさん、オイナー、タインが肉を狩りに行き。俺と意外と料理が上手いクーカーが担当する。
「シヨウさんは鶏肉が来しだい唐揚げを作ってください、私は野菜炒めを作ります」
魔法使いは栄養バランスよく食事を摂らないと質の良い魔法は放てない。肉、野菜好き嫌いせず食べなければいけないのだ。
野菜は自然に生えていることがあるのでそれを使って野菜炒めを作る。
外で食べるなら唐揚げよりか焼き鳥の方がいいと思うんだけど、クーカーがどうしても唐揚げが食べたいらしい。
「いやー大量に捕獲できたぜ」
ビルダーさんが鳥が入った袋をサンタクロース見たいな持ち方をして戻ってきた。オイナーとタインはイノシシに棒をくくりつけ2人で運んで来た。
「えっと…イノシシの方任せていい?」
「いーよ!」
元気よくクーカーが返事してくれる。うん、かわいい。
しばらくしてブランク男爵家にいた時より数倍豪華な夕飯が出来上がった。
「これがクーカー君が言っていた唐揚げとやらか…美味いな!」
「それにしても、シヨウは変わってるよな。本来料理は女がするものなんだけどな」
「そうなのか?」
俺はクーカーに聞く。
「普通はそうだよー私は男性が料理してても気にしないけど」
「シヨウ、言っておくが貴族になったら料理はしたらダメだぞ」
よし、絶対貴族にならないぞ。
「貴族にならないんで大丈夫です」
「そうかい。まあ今のうちだけは料理を楽しみな」
なんか嫌な言い方するな…ビルダー様は俺を無理矢理貴族にするつもりか?
「もしシヨウが貴族になったら俺が家臣になってやるよ」
「結構です」
この世界の人間は嫌でも貴族になりたいのか?この人達死ぬ前に「王国万歳!」とか言いそうだな。
「逆に俺がオイナーの家臣になるよ。なあクーカー」
実際剣だけで言えばバイオン様よりかオイナーの方が強い。やり方さえ間違えなければ独立した貴族になれるぞ。
「仕えるなら私はシヨウさんがいいな。ね、タイン」
タインも頷く、タイン、君は俺の嫁になって欲しい。俺は熱い眼差しをタインに送る。
「ショウ様…?」
初めて俺の名前を呼んでくれた!半年もかかってしまった!めちゃくちゃ嬉しい。
日が増すたびにタインが好きになっていくシヨウであった。
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