ひとり時間 〜宮田〜
「はぁ~」
古関と別れてから30分程の時間が経ち家についた。
洗濯機を回しシャワーを浴びた。
まだ7時半だが特にやることもない彼は、放心状態でテレビをつけた。
バラエティ番組でも見ようかとチャンネルを回してみたが、中途半端な番組ばかりだ。
結局ニュース番組をつけた。
「○県で遺体が発見されました〜」
「コロナウイルスの影響により△市で500人以上の感染者が確認されました。」
「大人気の韓国アイドルグループ□がワールドツアーを決定。日本には来月末に訪れる予定です。」
どうでもいい。
「今日もありがとうございました。」
「5月病に負けす今週も頑張りましょう!」
「ではまた明日!」
いつの間にか2時間以上が経ち、ニュース番組も終わりの挨拶を迎えたようだ。
五月病になんてなったことないな。
4月すら頑張れないからか笑
一人、自虐を楽しみながら布団に向かったようだ。
布団に入り1時間は過ぎたと思うが全く眠れない。
「目を閉じたまま、目を左上に向けると眠りやすい」という根拠なき噂を実践してみたのだが。
今日はすぐに眠ることができるかもしれないといつもの様に考え、いつも通り眠れなかった。
恨田海の書いた「下と内」を少し読んでみたが集中できない。疲れてはいるのかもしれない。
スマホを持ちトイレへ向かった。
おや?
何故なのか分からないが彼は、トイレをする前にトイレットペーパーの残りを確認している。
「はぁっ、はァァ」
夜の冷めた空気に気持ち悪さ全開の吐息が混じる。
自分の機嫌は自分で取るとでも言いたげな様子でトイレから出てきた彼は、布団に入った。
「はぁ~」
自分を慰め・許し、明日を迎えようとしている。
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