鎌売さんにも迷いはあったんですね。
いや、娘の人生の岐路ですから、それはそうですよね。
日佐留売を大川様付きにしなかったのはそんな理由が。
ついつい「もし」を考えてしまいますけど、結果的に見て納得しかありません。
作者からの返信
プロエトスさま
「鎌売さんにも迷いはあったんですね。
いや、娘の人生の岐路ですから、それはそうですよね。」
鎌売は、信念のある人で、自分の決断を迷う、ということはないのですが、自分の娘のことは、意外と手探りです。
娘からは、それは見えません。
完璧な母に見えます。
「日佐留売を大川様付きにしなかったのはそんな理由が。」
そうなんです。
……もし、鎌売が、はじめから、日佐留売を大川付きの女官にしていたら……。
どうだったでしょうね。
コメントありがとうございました。
拝読致しました。
鎌売さん、さすが目端が利いてますね!
娘の想いに反して結婚を勧めた母親、その内心の葛藤。
すん、という擬音が聞こえそうな大川さんの表情が目に浮かぶようです(^^;)
そして「どれほど女官たちからやっかみを受けることになるやら」、ここなんですよねぇ。
比多米売さん、もし目論見通り大川さんを手籠めにして妹の座を手にしたとして、裏で屋敷中の女官から陰湿なイジメを受けちゃうのでは、とか思っていました((((;゚Д゚))))
かなり精神的にタフそうな女性とは感じましたが。
家柄も良く、基本性能もズバ抜けていて、家中での立場もある比佐留売さんでも母刀自がそのように懸念するほど飛び抜けた大川さん綺羅綺羅しさ。
やはり繊細な大川さんが心を安らげるルートはなかなか希少なのかなぁ、などと思ってしまいます(^^;)
作者からの返信
たけざぶろう様
こんにちは。
ようこそ、いらっしゃいませ。
鎌売、目端が効いてます。娘の恋心に対して、母としての葛藤もありましたが、結局、鎌売は己の判断に迷いません。己に自信があり、間違ってない、という確信があるからです。
強い女性です。
鎌売は、日佐留売が大川さまのお手つきになる可能性は充分にある、と踏んでいました。
でも、妻や妹にしてもらえるかは、自信がありませんでした。
それより娘に確実に望むのは、いずれ、この屋敷を束ねる女嬬に成長してほしい、という事。
妻として、女官から「かしずかれる立場」の女になるならともかく、女官としてやっていくなら、大川さまのお手つき、というやっかみは、避けるべきと判断しました。
親というのは、子供の将来まで考えて行動するものです。が、もし、鎌売がはじめから、日佐留売を大川付きの女官にしていたら……。
比多米売、もし、大川の妻、そしてたった一人の運命の女、妹となれていたら、他の女官たちが虐められる身分ではなくなります。虐めてくる女官がいたら、クビです。
すん、とした表情の大川。
綺羅綺羅しさが半端ない大川。
彼が安らげるルートはなかなか希少なのかもしれません……。
コメントありがとうございました。
鎌売はさすが、色々なものを見てきた経験者だけあって、娘の日佐留売のために、胸中で色々算段していたんですね。
そして、それは正しかった。
やっかみをはねのけてでも、自分が想う人と恋をかなえるのは幸せだけれど、相手に想われて結婚するのも、穏やかな幸せを手に入れられるものですよね。
男も女も、あまり美しすぎない方が、かえっていいのかもしれないです。
作者からの返信
本城 冴月さま
こんにちは。
ようこそ、いらっしゃいませ。
おっしゃる通り、鎌売はいろいろ見てきたので。
今、強引に結婚させてしまわなければ、日佐留売は、大川さまへの思いを引きずる。
そうやってずっと、大川さまを見ているだけで、結婚しない女には、なってほしくなかった。
きちんと男から愛される喜びを知り、子を産み……という幸せを、娘に与えたかった。
母親として、正しかったのだと思います。
「やっかみをはねのけてでも、自分が想う人と恋をかなえるのは幸せだけれど、相手に想われて結婚するのも、穏やかな幸せを手に入れられるものですよね。」
その通りです。
実は、これは日佐留売と、そして「あらたまの恋 ぬばたまの夢」の古志加のテーマでもあります。
男も女も、あまり美しすぎないほうが……。これは、大川さまのテーマです。(~_~;)
美しさが幸せに直結しない、それが大川さまです。
コメントありがとうございました。
加須 千花さま
こんにちは。
「娘を大川さま付きの女官にしなかったのは、他の女官のやっかみを考慮してのことだった」
女嬬であるまえに、母としての鎌売の気遣いだったのですね。いや、いずれ日佐留売が女嬬となるのなら、ここで周囲との無用な軋轢は避けておきたいもの、そういう冷静な判断もあったのでしょうね。
そういえば、鎌売は女として、このうえなく理想的な、幸せな生き方ができているように思えます。
作者からの返信
佐藤宇佳子さま
こんにちは。
ようこそ、いらっしゃいませ。
鎌売が、日佐留売を大川さま付きの女官からスタートさせなかったのは、無用な軋轢を避ける為です。
日佐留売をいずれ女嬬としたい。その為に、女官たちのやっかみを避けたかったわけです。
そうして、宇都売さま付きの女官にしたら、時々、大川さまを熱い視線で、日佐留売は見ています。
おやおや、という思いと、無理もないか、という思いと、親として応援してあげたいけど、この恋はどうなるかしら……、二人次第ね……。と見守る気持ちがありました。
冷静な判断と、母としての思いが溶け合っている鎌売です。
彼女は、夫に溺愛されて、やりがいのある仕事をバリバリしています。
幸せですね〜。
コメントありがとうございました。
鎌売も幸せですね。孫に恵まれ、日佐留売を心配していたが、清嶋と問題なく安泰の日々を過ごしている。全てが丸くおさまるように、大川は日佐留売に女としての興味はない。
この幸せ続け、という思いを乗せた詩を詠みましたか?
作者名がなかったもので、勝手な推測ですが…
この詩もとても良かったです。ありがとうございます。
作者からの返信
海藻ネオさま
鎌売は幸せです。強い女性、強い母です。娘の幸せを願い、あちこちに気を配ってますね。
あ〜、万葉集の元ネタを白状します。
大伴坂上郎女(おほとものさかのうへのいらつめ)
風交(まじ)り雪は降るとも実にならぬ吾家(わぎへ)の梅を花に散らすな
(風交じりに雪が降ってもわが家の梅を実のならない花のままで散らすな)
万葉集巻八(一四四五)
母が子を思う和歌であると言われています。
拙作では日佐留売が佐野方だったので、花をそちらにあわせました。
コメントありがとうございました。
こんにちは。
この3話、色々なことが凝縮された回でしたね。
広河とその一派がことごとく黄泉行きとなり、日佐留売は想い叶わず別の男と添うことに。
いずれにも子供が生まれ、どちらも日佐留売が面倒を見ることになると。
少し取り残され気味となった大川でしたが、これを乗り越えての今がある。
簡単に人が死んでいく時代なので仕方がないとはいえ、大川の心にまた大きな穴が開いてしまいました。
人の想いはままならないものです。
作者からの返信
水無月氷泉さま
こんにちは。
ようこそ、いらっしゃいませ。
この三話、凝縮してる回です。
粉ミルクのない時代ですから、乳のでることは、大切なこと。
日佐留売が乳が出て、本当に良かったです。
大川が奈良にいるうちに、大川の知らぬところで、運命の歯車は回り続けていました。
兄の仕打ちに、心の決着がつけられないまま、思いがけない形で永別することになった大川。心にまた一つ、大きな穴が開きます。
ままならないです。
コメントありがとうございました。
日佐留売は幸せですね。
恋には破れたけれど、厳しくも愛情深い母がいて、姉思いの弟がいて、浮気するし情けないけど一応よい夫がいて、子供も生まれて、さらにやりがいある仕事もしている。
若い頃の恋なんて、現代であっても成就するほうが珍しいですし、たとえ恋人同士になれても、その相手と一生添い遂げるなんてまずないこと。
愛情深い環境で育ったからこそ、のちに古志加に対しても心からの優しさで支えてくれるようになるのですね。
作者からの返信
綾森れんさま
おはようございます。
ようこそ、いらっしゃいませ。
日佐留売、その通りなんです。
厳しくも愛情深い母刀自、その母刀自にメロメロの父親、という両親に育てられ。
姉思いの弟。夫も子供もいて。やりがいのある仕事もあり。
日佐留売は、たくさん持ってる、幸せな人です。
そんな日佐留売は、古志加を心からの優しさで支えてくれるようになります。
そうそう、その構図です。綾森れんさま!
コメントありがとうございました。
千花ちゃん。
母としての鎌売さま、娘の幸せを一番に望みながら、色んな観点から想いを巡らせていたのですね。
だからこその日佐留売さんの幸せが感じられます。
作者からの返信
この美のこ様
鎌売は、頭の良い人ですから、娘の幸せも考えつつ、良く観察し、色んな観点から導いたのが、「夫を得なさい」発言でした。
日佐留売には、そこまで深く見通されていることは、わかりません。
鎌売からしたら、娘が納得するか否か、は、問題ではない。
娘は母の言葉に従うもの。
それ以外は、許さない。
そのような厳しさのある鎌売です。
それでも、日佐留売も、今の幸せがあるのは母親の言葉に従ったから、と察しており、母刀自はすごい、という感想になっています。
コメントありがとうございました。