鐘の音

 真夜中にうるさい物音で目が覚めた。


 鐘の音がうるさすぎて、舌打ちをして起き上がる。


「今度は何だよ!」


 窓の方を見ると、外はオレンジ色になっていた。

 寝たと思ったら、もう朝だ。

 スマホで時刻を確認する。


 時間は0時。


 なのに、何で外が明るいんだ。

 変に思い、カーテンを開ける。


 そして、オレは言葉を失った。


「……ちょ……」


 すぐに部屋を飛び出し、一階で眠る母さんを呼ぶ。


「母さん! 母さん!」


 ドタドタと階段を駆け下り、リビングの近くにある寝室を乱暴にノックした。


「――火事ッ!」


 向かいの家が燃えていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る