【食文化】

塩や果実酒由来の酢、アルコールを使ったり、乾燥や燻製などの保存方法が開発されている。

火を通した方が食中毒にはなりにくいのは体感的に理解しているのだが、栄養的に生の方が力が付く(ビタミンが壊れない)ので、治療魔法頼りで生食をする文化がある。

その結果、火を通さないものを食べるときは熱いものや強いアルコールを共に飲む習慣が生まれた。

格言「神は火の試練を与え、救いとして酒を与え給うた」という言葉がある。

熱いものを取り入れることで精神を鍛え、それだけでは辛いので酒という快楽を与えたという話。

それが転じて、神は辛いことに耐えていればいつか神が救いを与えてくれるという意味になった。


また国の中心を流れる川は竜神が住むと言われ、そこに住むウナギなどの魚は「食べれば神に近付ける」と言われ昔から親しまれていた。

イール(ウナギ)は「ジャイール」という国名にもなったほど。

建国の王は農民で、飢えたときに川でウナギの姿をとった神に「私を食して国を興せ」と神託を受けたという伝説がある。

酒と果実を一緒に煮詰めた物に生の魚を入れて作った醤油モドキは、神の血として尊ばれている。

マンドラゴラのようなモンスターは討伐後にワサビ代わりとして利用され、ウナギと一緒に食されている。


ミード公爵領にいる蜂からは貴重な甘味料である蜜が取れるため、一大産業となっている。

甘味は人が生きる上で必要なエネルギー源であり、幸福感をもたらしてくれるため、民や王侯貴族などの貴賤を問わず大人気である。

糖分以外にもビタミンB1も豊富で栄養学的にも優秀だった。

結婚したての夫婦は結ばれた日から一か月を蜜月(ハネムーン)として周囲が祝福し、二人は蜂蜜を食べて夜を共にするのが習慣となっている。

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