このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(78文字)
静かに進んでいく物語の中で、主人公の怒りや悲しみがじわじわと溢れてきます。確かに感じていたはずの温もりや優しさは、どこから本物でどこまでが偽物だったのだろう。そもそも、全てが偽物だったのだろうか。言い訳も謝罪もない、本当にズルい女。偽物と知りながらも黙って役目を果たしてきたヤドリギに、いつか本物の愛情を――。そう願わずにはいられない物語でした。