第7話 ドツボにはまってる気がする


便秘ぎみだった様子のキツネ女を縛り直し話を再開する。


「何かまあ………すまん。下心は無いんだ。何か隠し持ってて自分たちが不利な状況になりたくなかったから剥いただけで、酷い事をしようとしたつもりは無い」


俺はとりあえず上着を掛けながら慰める。


「ホラ、着なよ。で星元の奴には「何も居なかった」って言うんだ」


「問題があるのは大将じゃなく、あの場で分不相応な力を考え無しに求めた奴ら。でメンツを潰されたのはそのしっぺ返しだってさ」


キツネ女は小刻みに震えている。何も言いたくないとばかりに口を結んで目に涙を溜めていた。

たしかに、客観的に見たらこっちが悪者だけどさぁ、服の中に実際にいろいろ仕込まれてたし、ただ取り押さえただけだったら絶対に逃げられたか、仲間を呼ばれてたんだよな。


「はぁ、だんまりか……こっちの命を取りに来てたんだから殺されて無いだけマシだと思わないのん?そっちにも退けない理由とか立場とかあるんだろうけどさ。そうすると俺の平和な暮らしは立ち行かなくなるワケ。わかる?」


「うーん、交渉にならないッスね大将」


「まあ、いきなり剥いたのが決定的なんだろうけど、あそこでああしてないと隠し持ってた道具でこっちが不利になってただろうしなぁ」


「これをやると悪役一直線のゲス野郎になるけど、写真を撮って「バラ撒かれたく無かったら」って」


「バカやめろ!それやったらタダのゲス野郎じゃなないか!」


仕方無いので俺達は、「あの場で不利になりたくなかったし、外部に連絡を取られたく無かったから咄嗟に服を剥いだが、お前は俺達を殺そうとしてきたからこれで手打ちにしよう。星元の奴はもっとしっかり修行しろ。」とキツネ女に言い含めて、ダンジョンの入口に衣服と共に放置して帰路についた。


〜〜〜


「かぁ~っ!何がタヌキうどんだよ何でタヌキうどんが天カスうどんやねん!」


「そんなん俺に聞くなよ。店長!唐揚げ追加でお願いします!」


「カラアゲイッチョーウ!」


「で?力試しにダンジョンで遊んでたら、キツネに見つかって?何か隠し持ってたから全裸に剝いてから説得しようとしたら聞く耳持ってくれなくて?置いてきたのか」


「「アッハイ」」


「こンのバカモンがぁぁぁ!」


俺達は冒険者ギルド的な建物併設の居酒屋でおやっさんにブチ切れられていた。まあ悪ノリもあったけどアニメや映画でも敵の一人を捕まえたけど、ソイツが何かを隠し持っててこっちが不利になる展開、あんまり好きじゃないんだよね

的なことを伝えたら更に怒られた


〜〜


「じゃ、トラクゥこの部屋だ。さっさと寝よう。明日から大変になるな」


「おつかれ〜」

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