第5話 しーらない!強くなってる?気のせい気のせい


「はぁー( ´Д`)=3助かったよおやっさん」


俺はハイエースに揺られる振動で目を覚まして礼を言う。なんとか巻いたようだな。このまま冒険者ギルドに滑り込んでやって行こう。浅井の奴と姫さんには悪い事したかなぁ。でもこうなった原因はワイには無いしな。とりあえず恨まれてるだろうし、自分で跳ね除けられられる程度に強くなっておこう。


「俺の装備は?」


「後ろだ」


「最高!このままダンジョン行ける?」


すると他の二人が止めてくる。やめとけ、一度拠点に、と。

だが、ワイはそれを断る。だって絶対に根回しされて既に道士派のギルド員居そうだし、今の自分が神に強化されたとして、如何ほどの強化を受けたのか確かめる必要があると思っているからだ、と説明し納得してもらった。フミちゃんはまだ何か言いたそうにしてたが、マサのアニキはめっちゃニヤニヤしている。そりゃあそうだよな。ワイも知り合いがこうなったらどうなるか見てたいよね(´・ω・`)


〜〜〜


「着いたぞ。」

「ありがとうおやっさん。今度あそこの居酒屋出すよ」



さて、まずは定番の小鬼でもシバいて確認しようとダンジョンに飛び込み、手近な小鬼を殴り飛ばすと、いつもより軽い感触で倒せた。 


「(・ัω・ั)ウーム、強くはなってるけど、劇的に強くなってる感じじゃないなぁ」


微妙な手応えを感じつつ小鬼をシバきながらダンジョンを進む。いつもよりはだいぶサクサク奥まで来れたな。なんとなくだけど、全体的に身体能力が3〜4割ぐらい上がってる感じ?何かネトゲでパッシブスキル取ったみたいな感じのような……何かチートじゃなくて、安心したような、残念な様な、複雑な気分。


気を取り直して俺はダンジョンの階段近くに腰を下ろす。そういや戦闘力以外はどうなんだろと思ってポーチの中の御札を出して休憩がてら御札に霊力を込める。イザと言う時用に用意をしておかないとな。


ん?こっちも何時もよりだいぶスムーズだ。でも、劇的に何かが良くなった感じでは無いな。

何や神様、あの場をあんだけ混乱させておいて、強化されたかて3割増しならワイより強い奴しこたまおるやんけ!ありがちな雑な超強化ちゃうやんな


「そらそうよ。仮にめちゃくちゃ力をもらっても、それを動かすモーターがショボかったらすぐに焼け付くやろ。だからたいして力を与えて無いらしいで。ラノベや漫画みたいな超強化とかだいたい無双するけどさ副作用が描写される事もあるやん?」


「ああ、力が暴走する〜とか鼻血が出る〜とか、エグいのだとパァンする作品も見た事あるな……ってえっ?」


「ワイの事ならお気になさらず、ただの出歯亀いたずらたぬきでござんす」


「アレか?神様関係?それともどこぞの道士の差金……じゃないよな。その口ぶりだと」


「せや、まあ気を抜いてくれよ。ワイも木っ端妖怪なんよ。妖怪ってもいい方のだけどね」


「どうせ、付いてくるんだろ?よろしく。名前は」


「特に無いんですわ。決めてくれて良いですぞ。」


「タヌキか……じゃあゴミパンd「そりゃアライグマですぜ!」トラクゥとかどうだ?」


「トラクゥ!?虎食うですかい?なら気合入れてあんさんの式になりやしょう!」


(トラッシュパンダならぬトラッシュラクーンでトラクゥなんだが黙ってよう)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る