第3話 イヤほんとマジでそんなつもりは無いんですよ


「俺はお前を認めない!」


「だからそういう所がアカンから当てつけで俺に力をくれたって今さっき聞いたやろ我道様よォ!」


俺は俺様野郎の勢いに負けないように声を張り上げる


「アンタを筆頭にエリート様の人格に問題があるのと!偉い人たちが自分たちの奥の手を出し惜しみしたこと!それと対外的なパフォーマンスに使われた事!もろもろ込めても、神々がお怒りになって荒神とならなかったことに感謝した方がええんやないですか?」


「やかましい!理屈はどうであれ俺様のものをてめえが掠め取ったのは事実だ!言うに事欠いて俺への当てつけだと!?いい度胸だ!ぶっ殺してやる!」


我道氏、めっちゃにらんで来てて今にも殴りかかって来そう……というか、次世代を担うガキどもじゃなくてはよ正規の道士や武士達は出てこないのん?、あ、いや、配信とかの後処理に追われてるんかな?そういや大人たちが出てくる気配がないんだが?


どうしようかと考えていたら「ガシャアアン!」と窓ガラスが割れるような音が聞こえて来たかと思うと目の前に道士服を着たいかにも本職ですといったようなオッサンが三人、目の前に現れた。


「貴様だな?この儀式をめちゃくちゃにしたのは?拘束する」


言うや否や、札や縄が四方八方から飛来する!コンチクショウ!こっちの言い分を聞く気は無いのかよ!……まあ無いんやろなぁ


「ふっ!くっ!」


問答無用で放たれる攻撃を必死になって躱す。……よくよく考えると何で俺躱せてるんだろう?たぶん強化されたからやな!


俺が自分でも良くわからない動きをしていると、横合いからカマイタチが飛んでくる!


「ここで仕留めてやる!当てつけ野郎が!」


「当てつけてるんは神様で!俺ァ当てつけのダシに使われた可哀そうな当て馬なんだよ!俺にキレてもしょうがないぞ!」


「そういう態度がムカつくんだよ!」


「知るかボケェ!」


口喧嘩をしながら、3+αの攻撃を躱したり弾いたりしつつ儀式場から離れようとする俺の元に今度はハイエースが突っ込んできた!

あれは……ヨシのった!


「これは俺からのお返しだ!」

 

「乗って!」 「がってん!」


俺は咄嗟に足元に落ちていた石を拾うと怒り狂っている我道と三人の男に向かって全力で投げると、その隙にハイエースに飛び乗った。


「ふう、助かりましたよ。おやっさん」


「バカめ、何が起こってるのか説明してもらうからな」


おやっさんに続いて二人の乗客も俺の事を心配してくれたようだ……もう道士辞めて冒険者になる……


「そうっすよコスリ君、配信で見てたらいきなり中心人物じゃない所が光りだして神様がカンフル剤で君に力を与えたって言うじゃないっスか。アタシびっくりで……」


ぼさぼさの黒髪に丸い眼鏡をかけたそばかすのある女の子が心配してくる


「まあ、これから面白くなりそうじゃねえか、神様のお墨付きでお堅い年寄りや横暴な奴らの鼻をあかせって言われたようなもんだろ?」


剃り込みの入ったいかついアニキがニヤニヤしている


「フミちゃん心配してくれるのは君くらいだよ」(´;ω;`)ブワッ

「あと、マサのアニキ、自分はそういうつもり無いんで、あとすいませんめちゃくちゃに動いたせいか体がギシギシいうので少し寝ます」


一安心した俺は車に揺られながら眠りについた。

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