第7話

 ココアを飲んで寝てるだけで新しい身体が出来るそうです。


「深山さんは寝てるだけでいいです。さっきは深山さんの思考を読み取って人形が変化しましたよね?今度は人形の情報を深山さんが読み取って今の身体を新しく作り替えますからね〜」

 この身体が新しくなるのですか?


「そうですよ〜。その身体が新しくなります」

 そうですか…。50年連れ添ったこの身体、これまで色々負担をかけてきました。悲鳴を上げつつも付き合ってくれていましたね。疲れましたか?でも、まだまだ付き合ってもらうことになりそうですよ。うん…、ちょっと感傷的になっちゃいました。


「深山さ〜ん、そろそろ眠ってください」

 神様が私の額に向けて、手を伸ばしてきます。


「新しい身体、お楽しみに〜」

 50年間ありがとう…また…よろしく…




「深山さ〜ん、おっはよ〜ございま〜す」


「…なんだか、起こし方が雑になってませんか?」

 ビクッとしちゃいましたよ。

 ここは眠る前と同じ保健室ですね。違うことと言えば…


「なんだか視界がハッキリしてるんですけど?」


「何言ってるんですか〜。新しい身体なんだから目が良くなったって不思議じゃないでしょ?」


「そうでした‼︎」

 ベッドの上で身体を起こします。楽に起きれますね。手がふっくらしている様に見えます。手を握って、開いて…両手を組んで手首を回して…肘もしっかり伸びますよ…動いても関節が痛くない‼︎ 力も入ります‼︎ こんなにスムーズに身体が動くのは何年振りでしょうか…。ついつい顔がほころんじゃいますね。


「深山さん、なかなか良さそうじゃないですか?」

 はい、いい感じです。


「深山さん、新しい身体もいい感じみたいだし、次は武器でも決めちゃいます?」

 武器‼︎ ついに私も戦う力を手にするのですね。


「是非お願いします。神様、急ぎましょう」


「それじゃ移動しますか〜。深山さんが待ちきれないみたいなんでパッと移動しちゃいますよ〜」

 パッと移動?魔法でも使うんでしょうか?それにしても保健室の外は初めてですねぇ。やっと異世界らしい風景を見られるんでしょうか?


「では、テレポート、行きま〜す」

 神様の気の抜けた合図の後、一瞬にして世界が切り替わります。保健室を出た私の眼前に広がるのは…


「…会議室?」

 いくつかの長机と椅子が並んでいる前にホワイトボードが置かれています。

 ここは本当に異世界なんでしょうか…


「神様…保健室に続いて会議室とかどうなってるんですか?もっとこう異世界らしい所は無かったんですかね?」

 そろそろ異世界らしさ味わいたいんですけどもね。


「ここを出るまではこんな感じの施設ばっかりですよ?異世界らしい所はここを出るまで諦めてください。それより武器を決めていきましょう。ここからは新しい協力者にも参加してもらいますんで、仲良くお願いしますよ〜」

 おお、新キャラ登場ですね。


「さっそく呼んじゃいますよ〜」

 会議室にいきなり人が現れました。また魔法ですかね?

 さあ、どんな人かなぁ?

 いい人だと、いいなぁ…

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