第6話
「半神て…。神の字が入ってる種族って、なんかとんでもない種族だったりするんですかね?」
「そこまででも無いですよ?レベルアップした時の成長率が高かったり、歳を取りにくかったり、寿命が伸びたり、死ににくかったりしますけど」
いや、普通にとんでもないですよ…
「あと、深山さんが半神になるとしたら、この世界で唯一の半神になりますね」
それ、地雷じゃないですか?
「見た目は人族と変わりませんから〜。ちょっと気をつければ普段の生活でバレることは無いですし、魔物がいる世界だって考えたら、人族より強くなれるんだしメリットしか無いと思いません?」
…それもそうですね。…剣と魔法の世界だと聞きました。どうせなら強くなりたいですからね。ここで強くなれる選択肢を拒む理由はありません。ただし、デメリットが無いのならですが。
「半神だと行動制限があったりするんですかね?」
半神だと行けない場所があるとかは嫌ですよ?
「半神だからというのはありませんよ〜。そもそも人族はダメ〜と言うのはあったりしますけどね。人族が嫌いな集団がいる場所とか」
「排他的なエルフが村に入れてくれないとかそういう感じですか?」
「そういうことです」
なるほど。そこら辺は人族を選んでも半神を選んでも変わらないって事ですね。むしろ半神ならオッケーなんて事もあるかも。
そういう事なら半神を選んでも問題無さそうです。
「神様、種族は半神にしてください」
「じゃあ、種族は半神で決定ということで。これで新しい身体作りに取り掛かれますね。
さて深山さん、ここらで一息つきません?何か飲みます?」
いいんですか?ではお言葉に甘えて。
「大概の物は用意できますからね〜、何でも言ってください」
ここは甘い物が良いですね。ロイヤルミルクティーにするか、ココアにするか悩みどころです。
「どちらでも出せますよ〜」
「ん〜、ならココアでお願いします」
「僕もココアにしようかなぁ」
また何もない空間にマグカップが2つ現れましたよ?神様の不思議パワー炸裂です。
「深山さん、どうぞ」
「ありがとうございます。いただきます」
ふう…、美味しいですね。温かいココアは落ち着きますね。なんだか肩の力が抜けました。やっぱりどこか緊張してたのかも知れません。
「僕、ココア飲むの久しぶりですけど、たまには甘い飲み物もいいですね〜」
「神様、普段は何飲んでるんですか?」
「普段はコーヒー派ですよ〜」
おお、大人ですね。
「あはは、こう見えて深山さんより長く生きてますからね〜」
神様ですもんね。見かけで判断するのはダメですね。
「ご馳走様でした」
美味しいココアでしたね。地球で飲んでたココアより美味しかったんじゃないでしょうか。さすが神様です。
「飲み終わりましたね?では、そろそろ新しい身体作り開始ですね〜」
いよいよですね。私は何すればいいですかね?
「今ココア飲んで貰ったんで、後は寝ててもらえば大丈夫ですよ〜」
「ん?ココアが何か関係ありますか?」
「ココアに色々入れておいたので」
そういう事は先に言っておいてくださいよ。
「美味しかったからいいじゃないですか。気にしない気にしない」
コンプライアンスは気にしても、インフォームドコンセント的なのは気にしないんですね…
まあ、美味しかったから良しとしときましょうか。
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