天才性から見た私。
私は目に見えないものを漠然と信じてる方だ。今思い返すと幼少期の不思議な体験が影響しているのかもしれない。
かみさまはいると思うし魂と言って正しいのかは謎だけど体に宿る何かはあると思う。美しいものには神様が宿ると思う。言葉にはできないけどそう言うものに邂逅した瞬間、私は膝を折り祈りたくなる。ただそんな瞬間は人生で数えられる程度しかないのだ。
私の信仰はとてもゆるいもので、してはいけないことも祈りを捧げる習慣もない。たった一つあるとしたら美しいものは美しい。くらい。自分の全てを罰するのはいつも自分だし、決定権も自分にある。かみさまに許しを請うこともしない。美しいは状態であって意思はないから。それを作った何かに意思は宿ったとしても、美しいモノ自体に意思はない。私を許さないのはいつだって私自身の理想だ。
小さい頃した不思議な体験がある。何歳だったかわからないけど多分小学生くらいだと思う。母方の祖母宅に夏に遊びに行った。確かいとこも一緒だったはずそれすらも確かじゃない。祖母の家は生垣と塀で囲まれていて、玄関の方から裏手に回る細い塀と家の隙間を通って裏手へ幼い私は入って行った。そこにお社があった。そのころの私の身長より大きいくらいだろうか。とても鮮やかに覚えている。少し古い木造で手入れが行き届いていて大切にされているのがよくわかる。でも存在していないのだ。裏手にあるのは小さなお狐さまの祠と倉庫だけ。確実に記憶の中では存在していて実体験として残っているのに、不思議で仕方ない。それを確認しようと祖母宅に行こうとしているのだが予定が合わずなかなか行けない。今は呼ばれていないのだろう。そう言うものだと思っている。
私は一時期から天才を自称するようになった。側から見たら頭がおかしいそれである。Twitterで天才とは何ぞやってことを図にまとめたのだが興味があるならそっちを見てくれ。
私が天才かどうかの判断は多分凡人の君らにはできないと思う。判断できないとしてもする権利は君たちにある。好きにすればいい。君たちから見たらただの社不にしか見えないだろうし実際現在の私はただの社不だ。どう足掻いても私の価値を理解しうるものはほとんどいないのだから。このような突き放す発言をしてしまうのはどうしても好かれたいという気持ちを諦めきれないからなんだろうな。どこまでも天才性から見た私は可哀想な子である。
前菜はこれくらいにして本題に入ろうか。
小学四年生まで私はかみさまに愛されてると思っていた。事実そうだと思うし子供特有の万能感という物だと思うがあの頃が一番自分の天才性を理解していたと思う。それを理解していたのはあの頃の自分であってそれがどう言う物なのか今は微塵もわからない。言語化しなくても理解していたように感じる。今の私はずいぶん言語に染まっている。
そのあとは天才という観点から見たらかなり捻くれた道を歩んでいる。小学四年生までの全知全能な自分から一気に転落して私は個性的な女の子に成り下がった。でも運のいいことに中学まではとても小さい学校で個人を認められて生きていられた。そこでは私は一人の人間として扱われたしそれぞれの個性を否定しない空気がそこにあった。だが自分の中にある「人と違う」という感覚は大きくなるばかりだった。
高校に入って大人数学級になった。そこでの自分はひどく哀れで不憫だ。高校で私は自分が浮いていることに気がついた。仲が良いたった一人の友人以外クラスメイト全員から名字+さんで呼ばれた。周りを見渡してもそんな子は誰もいなかった。呼び捨てだったりちゃん付けだったり、さん付けで呼ばれている人なんていないのに、私だけがそう呼ばれていた。自分の異物感はどんどん大きくなるばかりだった。
誰も私自身を理解しようとしなかった。申し訳程度に輪に入れてくれるくらいだった。普通になりたかった。まともになりたかった。普通に高校生活を送って友達を作って修学旅行に行って他の人と同じように進路に悩んで、大学に行って普通に就職して普通に生きていたかった。そんなことは叶わないのだ。誰一人異物の私に価値を置かなかった。まともじゃない私は誰からも愛されなかった。
そうして私は不登校になりまともになれない絶望を存分に味わったわけですが、その絶望を晴らすきっかけが彼氏だった。
絶賛地獄の母親と弟との生活でボロボロになった私は彼氏の勧めで家を出て、新天地シェアハウスに来たわけだがそこでは普通なんてなかった。いわば普通ではない人だけがいる環境はすごく心地かった。普通でなければ愛されないという思い込みが見事にバイバイきんしてすくすくと私は色々なことを吸収していった。
そうしてのびのびと自分を取り戻し始めた私に青天の霹靂を叩き込んだのが彼氏である。天才とは何かという定義からいかに私が天才かというテレビショッピング並みの褒めが入り私は意図も容易く投降した。今まで苦しめられてきた異物感の正体がはっきり見えた瞬間である。
私がどういう方向に天才なのかは長くなるので省くが、(聞きたいと言われたら続きという形で出すかも)今まで苦しむ必要のないものに苦しんでいたのだと知った。そこが知れたのが一番大きかったな。
私の今の目標は自分自身に天才性を証明することである。
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