昆布のおふとん
眠れない夜に何か飲むとしたらあなたは何を飲むだろうか。定番で行くならホットミルク。これはも定番オブど定番。眠れない夜のお供選手権栄えある殿堂入りである。私ももちろん好きだ。いつものレオレオニのマグカップになみなみに注いだミルクを500Wで1分半。ティースプーン山盛り2杯の砂糖か蜂蜜を入れる。絶対にホットミルクは熱々にしてはいけない。ふーふーしなくても飲めるくらいのぬるさがいいのだ。かと言ってぬるい通り越して冷めているのもいけない。体が冷えてしまう。温度にうるさい私が見つけた最適解が500Wで1分半なのだ。なお私は猫舌な方である。
そんな定番オブど定番のホットミルク様にも弱点がある。糖分で目が覚めると言うことだ。眠れない夜に早く眠りたいからホットミルクを飲んでると言うのに体だけあったまって眠れないということがホットミルク様だとよく起こってしまうのだ。そしてカロリーが気になる。砂糖やらはちみつやらを大盛り2杯も入れるなって話なのだが一番美味しい飲み方で飲むのがホットミルクも喜ぶと思うのだ。
そんな私が眠れないけど眠りたい夜に好んで飲むのは梅昆布茶だ。出汁が遺伝子に組み込まれてる私にとって甘めの出汁味はこれ以上にない安らぎを与えるし、何より昆布にはセロトニンが含まれているのだ。睡眠導入にはこれ以上なく美味しい飲み物である。あとやすい。牛乳は1L、200円はする。梅昆布茶は1袋買えばマグカップで13杯は飲める。単純計算2.6Lである。君も梅昆布茶を共に飲まないか…
ただの販促になってしまったのだが、梅昆布茶には薄らぼんやりとしたいい思い出がある。父方の祖父母宅に泊まりに行った時、眠れない私に祖母が梅昆布茶を入れてくれた。それがたいそう美味しかった記憶がある。真夜中の静寂にぽつんとついたリビングの明かりに缶の梅昆布茶が記憶に残っている。そのころにはすでに旨味に取り憑かれていたのだろうな。やかんで沸かされた熱々のお湯を白い大きめのマグカップに注ぎ梅昆布茶を入れる。あられが入ってるものだった。こんな細部まで覚えているのに祖母の表情はどこまでも朧げだ。その後の同じ布団で寝た祖母の体温だけを覚えている。幼いころ知らなかった色々な大人の事情を思うとあの頃の感情さえ朧げになるが、祖母の体温だけはありありと思い出せる。なんだかなぁ
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