エッセイを書いてみた
朔月
前略
推しがエッセイを所望したのでかいてみた。
まずエッセイって何書けばいいのかわからないのでググったら自由らしいね。自由に書きますか。
私を構成する要素はいろいろあるけれど、この文章を読んでいる人には私が毒親育ちだと言うことがわかっていると思う。アカウント名にデカデカと書いてあるからね。せっかくだからそこじゃないところに触れようかな。
私のほどほどに堕落した食生活は近くの鬼安スーパーによって支えられている。てくてくと私のあんよで10分もかからないくらいの近場にある。お財布は金銭感覚がバグってるので彼氏に管理されている。みんなが思うより私はダメ人間である。結構などびんぼう生活なのだが私は全く不自由していないし幸せである。
その鬼安スーパーでの出来事のことだ。その日私は彼氏と私のこれから食べる食材を買いに来ていた。
「にんじん要る?」
私はにんじんさんが大好物である。和洋中何に使っても美味しいし栄養価も高い。
「にんじん居るよー」
「要るのね、はい」
「そっちの要るじゃなくて、冷蔵庫にいらっしゃる」
「???」
実際に会った出来事である。私としては「にんじんが居る」と言うのは何一つ間違ってないのだけれど他の人にとっては違うらしい。こういった細々とした語感が人とはずれているらしい。私が小説家に向かない所以である。私が小説を書いてもきっとそのズレを修正するのに手一杯になってしまうだろう。だから狂気を飼う狂人にこそ小説家という職業は相応しいのである。例外もいるが。
私は野菜やその他の物に対して人に使うべき動詞を当てはめることがよくある。なぜなのかはわからないが「にんじんは居る」のである。
料理は家庭料理の範疇だが得意な方なので自炊はよくする。たまに同居人に材料費をもらって作ってるくらいだ。
そうそうこないだ面白いことがあった。うちの彼氏はスパイスからカレーを作れるタイプのおのこで、そのカレーに心を射抜かれた私は再現すべくスパイスを手に取った。彼氏と電話しながらリアルタイムで教えてもらうという徹底ぶりである。その時の私はカレーが食べたかった。気づいている通り私は食いしん坊である。食べれるのならば食べたいものはその時食べたい。
工程は進みもうそろそろできる頃になっても彼氏が作ってたような味にならない。一つ一つの工程はあっているはずなので彼氏に聞いてもお手上げだった。病み期真っ盛りだったのもあるが、食べたかったカレーが上手く作れないことへの憤りと材料が無駄になった悲しみで泣いていた。
彼氏のアドバイスで私が手に取ったのはめんつゆと鶏ガラだった。泣きながら手に取ったそれをダバダバと適当に入れた瞬間味が一変した。美味いのである。その時私の涙は号泣に変わった。
上手く作れないだけならまだわかる。自分の経験値が足りないのだ。それがなんだ、工程を聞きながら正確に作ったカレーが上手く作れないのに雑に入れためんつゆと鶏ガラで美味くなるなんて、向いていないだけじゃないか。私はこと物を作ることに対しては一塊のプライドがあり、料理もそのプライドと彼氏に褒められたい一心で頑張った。幸い和食、特に煮物に関しては結構上手な方だ。それがスパイス料理は向いていないというレッテルが貼られてしまったのだ。悲しいこと上ない。なんなら食べたかったカレーも食べれなかった。泣きっ面にぶんぶんチョッパーである。そうしてできたのはカレー風味の炒め物は同居人と私の夜ご飯になった。
私の遺伝子には出汁と醤油が組み込まれてること、スパイス料理は死ぬほど向いてないことを理解した。そして後日彼氏にカレーを作らせた。豚、鶏、牛、三種のお肉で作ってもらったが、どれも大変美味である。
これは失敗談だが料理ができることをアピールするために私のテキトーレシピでも書いておくかな。
メニュー 手羽元の煮物
用意するもの
・手羽元6本くらい?
・酢
・酒
・醤油
・ヤマサ醤油の昆布つゆ(なかったらめんつゆ三倍濃縮のやつ)
・みりん
・だしの素
まず手羽元にフォークをブッ刺します。その手羽元を酢どぼどぼと、酒ダバダバ、水を手羽元がつかるまで入れます。30分くらい冷蔵庫で漬け込みます。
漬け込んだ手羽元を鍋に入れ、あればごま油、なければ他の油で焼きます。中火でかわ面を下に、こんがりと焼けるまで放置するとおいしくなります。
その後水を手羽元の半分くらい浸かるまで入れて、酒をダバダバ、めんつゆさん回しくらいみりんどぼっどぼっと、醤油を味を見ながら入れましょう。美味しそうな色になったら煮ます。こっからは放置です。軟骨も食べれるくらい柔らかーく煮るのがコツです。軟骨だけに。
このレシピを見てわかる通り、私は感覚派である。
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