第8話 授業
ギリギリで部屋に入ると、そこには僕たち以外のクラスメートがすでに揃っていた。
僕たちが席に着くと、ちょうど定年くらいのおっさんである担当の講師が部屋に入って来てすぐに授業が始まった。
「今日は全員に魔法と身体強化の使い方についてお教えようと思うぞ。」
「うおおおおお、魔法きたーーー!」
「やっと異世界らしくなってきたー!」
魔法と聞いて、クラスメートが色めき立つ。
「火、水、土、風、無属性の方には身体強化の使い方を、それ以外の方には魔法の使い方を教えるぞ。」
「まずは全員、魔力を感知するところから始めよう。」
「どうやればいいんですかー?」
「まずは体全体に意識を巡らせるのだ。魔力は血液の中に含まれていらものだから、体全体の血管をイメージしながらするといいぞ。」
僕たちはその言葉を聞き、それぞれが集中し始める。5分ほど経ったところで手足の先の方がむずむずするような感じになって来た。
これが魔力なのだろうか?10分もすると、足の先から頭の上までがむずむずして来た。
「最初のうちは違和感があるかもしれんが、徐々に慣れてくるので心配することではない。」
僕は魔力を感じることができたと思ったので、集中するのをやめ周りの様子を見てみた。
みんな難しそうな顔をしていて、まだまだかかりそうだと思った。思ったより大変なのだろうか?
結局、全員が次の段階まで行けるようになるまで30分かかった。
「全員が魔力を感じることができるようになったな。そろそろ次のステップに移ろうと思うぞ。」
「次は、火、水、土、風、無属性は魔力を自分の体を循環させるように意識してみろ。それ以外の属性は、利き手を前の方へ突き出し、そこに魔力を集めるように意識しなさい。最初のうちは難しいことだから焦らなくても全然平気じゃ。」
僕は頑張って魔力を動かそうとしてもびくともしない。今までは血管を意識していたが、
イメージを変えた方がいいのだろうか?
僕はそう思い、魔力を細胞一つ一つまで循環させるように意識した。すると、少しづつだが、魔力が僕の体の中を動いているような感じがした。
そうした作業を始めて20分ほど経った時、不意に弱い光が僕の体から溢れ出す。
10秒ほどして光が消えたので僕はスターダスを確認すると、スキルの欄に身体強化:Lv1という表記が増えていた。これは成功したんじゃなかろうか?
僕はそう思い、監督の先生に報告に行く。
「あのー、スキルの欄に身体強化というスキルが増えていたんですけど、、、」
「おお、そうか君が1番最初か。この作業は難しくてだいたい1日ほどかかる時もあるのだが、異世界人ということで1時間で終わるとは思っておったが、20分とはな。君はなかなかすごいじゃないか。」
先生に報告に行ったあと、僕はみんなが終わるまでが暇なので、ずっと魔力を循環させていた。
みんなが終わったのは、先生が予測した時間と同じ1時間後だった。
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