第3話 みんなの属性

属性の確認が順番に行われている。

そんな中でおおっというどよめきが広がる。


「なっ、なんということだ。光属性持ちだとっ!」「素晴らしい!」


どよめきの中心にいるのはクラスのまとめ役の西条 天光だ。


「ちょっとそんなにさわがないでくださいよ。そんなにすごいことなんですか?」

「記録にあるのはおよそ50年前だ。君は50年ぶりの逸材だ!」

「すげーな天光!」「やっぱり天光くんはもってるねー!」

クラスの面々がわらわらと西条に集まっていく。 


「みなさん、まだ確認の途中ですので落ち着いてください。」


そう言われると、みんなが並び始める。

そして数人が確認されたあと、またざわめきが広がる。


「白坂さんは聖属性持ちです!」

「聖属性って?何が出来るの?」

「聖属性は怪我の治療をしたり、病気を治したりすることができます。確認されたのは70年ぶりです!」


今度はクラスのマドンナ、白坂聖奈だ。


「白坂すげー!」「やっぱクラスで1番の美人なだけあるねー!」


さっきのこともあってか、集まるようなことはなかったが騒がしくなる。

だが、それも自然に落ち着いて確認が再開される。それからは、さまざまな属性が確認され、中には、空間属性や、毒属性など珍しい属性も確認されたが、前の2人のインパクトが大きすぎたせいであまり騒がれなかった。少し気の毒だ。

そしてとうとう僕たちの番が来る。


「お名前は?」「青井冰馬です。」

「冰馬さんですね。あなたの属性は、氷属性ですか。なかなか優秀な属性ですね。」  「ありがとうございます。」


「よかったな」「ああ。これで弱いとか言われたら、凹んでたわ。」


次は倉谷さんの番だ。


「お名前は?」

「倉谷です。」

「倉谷さんですね。あなたの属性は、炎属性ですね。冰馬さんと同じくらい優秀なぞくせいです。」「ありがとうございます?」


「よかったね。」「うん。秀真さんも頑張ってね。」


次は僕の番だ。


「お名前は?」「名田秀真です。」

「秀真さんですね。あなたの属性は、、」


そこで確認をしている神官のような人が言葉を詰まらせた。


「何か悪いことでもあったんですか?」


僕は不安になって質問する。


「いえ、何もありません。ゴホン、名田さん、あなたの属性は無属性ですね。」


神官がそう言葉にした途端、僕たちを囲んでいた騎士のような人たちがざわめく。

西条や白坂の属性を知ったときは嬉しそうな顔をしていたシャーヤでさえ、困惑したような顔をしていた。


「無属性ですか。…わかりました。」


そう言うと、シャーヤは神官のお偉いさんのような人たちに相談しに行った。


「なんかあったのかな?」「わからん、だが良いことじゃなさそうだぞ。」


冰馬と話す。しばらくしてからシャーヤが戻ってきた。


「皆様の属性の確認が終わりました。これから皆様が住むこととなる部屋に案内しますので付いてきてください。それと、名田さんは部屋に着いたあと伝えたいことがあるので部屋で待っていてください。」


シャーヤはそう言うと広場を出て行ったのでみんなでゾロゾロと着いていく。


「僕なにかしたかな??」「わかんねーけどなんかやばそうだな。」


冰馬と話す。僕の心の中では嫌な予感が渦巻いていた。


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新しい登場人物

西条 天光 (男)(光属性)

クラスの中心。陽キャだが正義感が強い。物事の判断がしっかりと出来る男。


白坂 聖奈 (女)(聖属性)

クラスのマドンナ。天真爛漫な性格で女子からの人気があり、西条の次に人気がある。

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