第8話
キキ達の先生――エルフのボアさん。
彼女は私の髪型、ポニーテールに興味を持ったらしく。
「マージアさんの髪型、すごく可愛い。ポニーテール……馬の尻尾ね」
「そうです。キキに、この髪型にしてもらったんです。垂れた髪をクルクルっと、上げればお団子ヘアにもなります」
「へぇ、お団子も可愛い。でも今日はポニーテールにして貰おうかな?」
ボアさんはニッコリ微笑んで、キキにお願いして、自分の髪型をポニーテールにしてもらい。出来上がったポニーテールを見て、可愛い、可愛いと。どこから出したのか、手鏡を見て絶賛していた。
そんなボアさんに、焼きたてのパンケーキが冷める前に食べようと、みんなで作ったパンケーキをすすめた。
「まあ! これが人の世界で食べられている……パンケーキ。初めて見たわ」
エルフのボアさんはキキ達と同じで、初めてパンケーキを見たのか、瞳をキラキラ輝かせた。その横で、ひとつの皿を3人で分けながら、3段パンケーキを食べるキキ、スイ、メラ。
「マージアちゃん、パンケーキ最高!」
「本当です、コレは美味しい!」
「うま、うま」
彼女達の豪快な食べっぷりにパンケーキは残らないと、推測したので――ボアさんと仲良く半分こにした。
食べ出してから……何か忘れていると思ったら、飲み物がなかった。
+
リンゴ煮を乗せた3枚乗せパンケーキを、ペロリと食べ終え。私達はラベンダーが咲く庭にテーブルを出して、お茶会をはじめた。先ほどは忘れていた紅茶を入れて、屋敷から持ってきたお気に入りのクッキーを、アイテムボックスから取り出した。
「「クッキーだ!」」
「たべる」
……食いしん坊、キキ、スイ、メラはクッキーに食いついた。
3人の食べっぷりに驚くしかないけと、美味しそうにパクつく彼女達にホッコリして、ボアさんに色々聞いてみることにした。
それは、ボアさんは魔女さんの事を詳しく、知っていると思ったから。
「あの、いろいろ魔女さんについて聞きたいのですが。ボアさんのお時間はいいですか?」
その私の問いに「えぇ」と、頷くボアさん。
「今日はそのつもりで、お泊まりセットを持ってきちゃいました」
と、彼女は緑色の巾着袋に入った、お泊まりセットを取り出した。
ラベンダーが香る庭先で、紅茶とクッキーを楽しみ、私はボアさんと話していた。
「魔女さんはどうして、魔女を辞めたのですか?」
私が前世で読んだ本、見てきたアニメで私が思う魔女さんって……魔力で見た目は若く、何千年も生きるような気がしたから。
ボアさんは紅茶を一口飲み。
「彼女はね……歳で、魔女を引退したの。自分の残りの寿命も、わかっていたんじゃないかしら……」
「寿命? ……そうですが……その、話しにくいことを聞いてしまいました、すみません」
ボアさんは「平気よ」と首を振る。
「いいのよ。どうせ、マージアちゃんもいつか知る話ね」
「……ボアさん」
彼女は懐かしそうに、魔女の家をあげた。
「シシリと出会い長い月日を共に過ごしたきたわ。彼女の寿命が……あと500年くらいだったかしら? 余生をまったり、好きな場所で過ごしたいと思っても、仕方がないわ」
と、とんでも発言をした。
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