進級してもイベントは起きない(泣)


順風満帆な高校生活も一年過ぎあっと言う間に進級を果たした。俺たちのクラスは進学クラスになっていてメンバー替えはほとんどなかった。



幸い俺とよくつるむ奴らは全員残った。(嬉しい)

ただし現実はそんなうまくいかない。いいことと悪いことは相対しているようだ。クラスのメンバーをみると、


「お前らも残ってるのかよ!」


クラス名簿をみながら微かに呟く。自己中の塊のようなやつもクラスにいたのだ。それも二人、正直そんな賢くない人たちだったため普通科に落ちるかと思っていた。思ったよりも進学クラスの希望者は少なかったようだ。


クラス変動が少なかったことで仲良いメンツもたくさんいるから俺は悲しいことを考えるのもやめた。


「はぁ〜」


それでもため息はつく。因みに女子も変わっていなかった。まだほんとんど会話はしていない。春休みは部活で会っていた人や遊んだ人意外と教室で会話を弾ませる。(もちろん男友達だ。)


「久しぶり友樹」


「あぁ久しぶり建志。お前ら部活の顧問どうなるよ?。」


3週間ぶりにあった友樹から部活動のことについて聞かれた。


「正直、わからない。」


と曖昧な形で返した。そうなったのにも訳はある。

俺は、水泳部に所属している。プール設備は温水ではないから、4月末までは基本近所のプール場で泳げと言われている。しないけど。だから部活も少なくなり、来年の顧問の話などはなかった。春休みにあったのはプール掃除くらいだ。


「まぁ来週に部活あるからその時知るだろ。さすがに去年よりはまともな先生がくるだろ。」

 

「そう、うまくいくか?」


友樹がフラグをたてるようなことをいってきやがる。確かに顧問が代わることは嫌な思い出しかない。中学で経験してきたからこそわかる。それはとりあえず置いておこう。



3月の離任式で副顧問である先生が退職した。副顧問は基本なにもしないかもしれない。だが、うちの部活では違った実際に実権を握っていたのは副顧問だった。つまり、きついメニューは副顧問がつくっていたことになる。いなくなればなるほど夏のメニューへの怒りが湧いてくる。いなくなったからもう気にはしない。



久しぶりにあった人達と雑談を交わし終えると丁度良くチャイムが鳴る。



今日の日課は始業式と学年集会だ。昼夜逆転している俺にはもちろん耐えれることもなく、


「ふわぁ〜あぁ、よく寝たわ。」


寝落ちしていた。クラスにいる我らが水泳部は全員寝ていた。


「敷澤、お前も寝てたのかよ。」


「正しくはお前らだろ。」


「確かにw」


同じ部活仲間である敷澤と軽く会話をする。校長先生と学年主任の話なんて寝ないやつのほうが珍しいであろう。


ホームルームも終わり、美人転校生が来ることもなく帰りの電車を待っていた。このあとは何もなく家に帰る予定だか思い出した。来週、提出の書類を教室に忘れてきた。


「どこいくよ?」


同中で一緒の部活の直人に呼びかけらる。


「来週の提出物、教室に忘れた。」


「ばかじゃんw」


返す言葉もないため走り出す。何故走るか、電車の時間に乗るためだ。ここは田舎だから電車は一時間に一本しかない。駅から教室まで距離は意外とある走って2、3分だ。電車は後5分でくる。また教室の鍵も開けなければならない。


ここまで言えばわかるであろう電車を乗り過ごした。直人から連絡アプリでボイスメッセージが届いた。開くと、


「お疲れw一時間一人で駅で待ってなww」


アプリを即刻閉じた。電車が通ってすぐなので、誰もいないためスマホにイヤホンをつけて夜のための動画を探しはじめた。



「いや今日のおれ、ついてねぇ。…うわこれ、えっロ」


気にするのをやめた。







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