第5話:ステータス《後編》
「じゃあ、次に職業についての説明に移ろうか」
ステータス、種族と来て続いて職業。まあ、スキルの説明に入るにしても、その他の部分を決めていないと2度手間になるから仕方ないだろう。
「まずは【B・JOB】についてなんだけど、まあ、簡単に言えば得意なことややりたいことを職業にすればいいと思うよ。極端な話、Sっ気の強い人は攻撃、Mっ気の強い人はタンクみたいな感じでもいいしね。これは極端な話だから、攻撃役を選んだからといってSと言う訳でも、タンクを選んだからといってMと言う訳でもないよ」
「当たり前だ。仲間を護るのにタンクになる人もいるだろうからな」
「そうそう。だから、やりたいことをやるために、一番あっている職業を選んでね。という事で、ミトは前衛と後衛どっちがいい?」
「一緒にやろうと思っているやつが後衛を選ぶだろうから、俺は前衛にしようと思っている」
「うんうん。そう言う決め方もいいと思うよ。じゃあ、次に敵に攻撃をするのと仲間を護るのどっちがいい?」
「どうせならどちらもこなせるほうがいいな」
「りょーっかい!なら、おすすめはこの3つだよ」
そう、セイが言うとまたもホワイトボードに文字が浮かび上がってくる。
一番上から、騎士、剣士、戦士の順だ。
「じゃあ、それぞれの【B・JOB】の説明をするね。まずは騎士」
騎士
攻防どちらにも優れた職業
また、成長の仕方次第で魔法もある程度使えるようになる
「次に剣士」
剣士
攻撃に重点を置いた職業
盾を持つことで擬似的にタンクをこなすことも出来るようになる
「最後に戦士」
戦士
防御に重点を置いた職業
攻撃に耐えカウンターを放つことで一時的に火力を出すことも可能
「こんな感じになっているよ」
簡単にまとめるとバランス型の騎士、攻撃型の剣士、防御型の戦士という事か。
「まあ、他にもいろいろ前衛の職業はあるんだけど、攻めも守りもするっていうならこの3つがおすすめだよ」
「‥‥俺は騎士を選ぶことにする」
まず前提として、ユイが魔法使いだとしてもヒーラーだった場合、戦士だと短期決戦に難があるので無し。
続いて剣士だが、タンクもやろうとした場合騎士の下位互換になってしまう事になるだろう。なので今回は騎士にすることにしよう。
「はいはーい。騎士だね。続いて【C・JOB】の説明だね。といっても特に説明に変化はないからな‥‥という事で、職業の一覧を‥‥どうぞ!」
再び、ホワイトボードに文字が書きだされ、上から職業名を読んでいく。
「あ、気になる職業があったらそこをタップしてね。詳細が表示されるよ」
セイの言っていたことをしっかりと憶える。
上から、薬師、木こり、鍛冶師、料理人、従者、探偵、商人、学者、細工師、裁縫師と並んでいる。
気になるのは、薬師、従者、商人、学者あたりか‥‥
薬師
薬剤の調合を得意とする職業
従者
他者に尽くすことを得意とする職業
商人
物の売買を得意とする職業
学者
物ごとの探求をする職業
正直、職業の説明が雑な気がする‥‥が、まあ仕方ないだろう。
「従者にさせてもらうよ」
「うん?意外なところを選んだね。まあ、本人が楽しめるならそれでいいんじゃないかな」
まあ、実際の所、家事なんかは好きな方だから選んだだけだ。
「じゃあ、職業の選択も終わったところで、スキルの説明に移るよ!」
テンションをどんどん上げていくセイを無視し、続く言葉を待つ。
「ぶー、つれないなぁ‥‥まあいいや。じゃあ、まずは種族スキルだね。まあ、簡単に言うならその種族の特徴を掴んだスキルになっているよ。例えば純人種だったら【器用貧乏】一般スキルで必要なポイントが最大5になる、っていうスキルだね。何でも平均的な種族だからこそのスキルなんだけど‥‥半天使だと完全上位互換で【万能】っていうスキルがあるよ」
名前的に、器用貧乏よりも必要な最大値が減るのだろう。
「まあ、きっと考えている通りだから説明は省くとして、続いて戦闘スキル。これは職業専用‥‥と言う訳でもないんだけど、特定の職業専用となるスキルを選んでもらう事になるよ。魔法職で前衛のスキルは憶えられない、という事だね」
「生産スキルもそれと同じという事だな」
「そうなるね。じゃあ、まずは種族スキルの方から選んでね」
どんどん面倒くさくなってきたのか、雑になっていくのがセイの仕事の仕方の様だ。
書かれていたスキルは3つだけだ。
上から、万能、飛行、光翼だ。
万能
一般スキルの獲得に必要なポイントが最大4になる
飛行
一時的に天使の翼が生え、飛行することが可能となる(1秒につきMP1消費)
光翼
光属性の攻撃力が一時的に強化される(MP1消費につき10秒間。最大1分間。クールタイムは30秒)
少々迷う所ではあるが‥‥光翼を選ぶことにしよう。
「光翼で頼む」
「了解。じゃあ、次は一般スキルね。とは言っても、一般スキルから先は数が多いから、ここからはさっきのステータス画面から選んでね。ステータス画面は『ステータス』って言えば出るわ。あと、スキルを選ぶにはスキル覧の【未決定】の部分をおしてね」
セイの言うとおりにステータスを開き、一般スキルの【未決定】を押しスキルを選んでいく。
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10分ほどが経過し、ようやく全てのスキルを見終えることができた。
気になるスキルのピックアップのためホワイトボードに書き込んだスキルを見ていく。
一般スキルからは、ステータス(各項目の)強化のスキルと強走だ。
その中から、STR強化、VIT強化、強走のスキルを選んだ。
理由としては、まず、第一に求めていたのが物理攻撃力だったこと。耐久出来る時間を増やすためのHPを増やすことだったこと(物魔、どちらかの耐久だけを上げる事より最優先した)が理由だ。あとは、単純に何かあった時のための持久力アップだ。
戦闘職業スキルからは、剣術、盾術、光魔法、挑発の4種類だ。
その中から、剣術、光魔法、挑発を選んだ。
理由は使う武器に剣と盾を選んだからだ。盾術を選ばなかったのは、魔法のスキルレベルも最初から育てたかったこと、出来る限りヘイトを稼げるように挑発を取りたかったことがあげられる。
最後に生産職業スキルからは、料理、調合、裁縫、の3つを選んだ。
全体的にどの生産職のスキルも使えそうな感じだったのだが、今すぐに欲しいほど気になるスキルがなかったことが大きい。
「スキルの選択は終わったぞ」
「お、もう終わったの?随分早かったね。じゃあ、ステータスの説明はこれで終了だね。次に今から行く世界、【
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