第6話
「おはよう、架純。今日で1年立ったね」
今日も俺は架純の元へ足を運ぶ。架純のお母さんは微笑んで
「架純?今日も雪くんが来てくれたわよ?」
「架純は寝坊助だなぁ」
俺は架純の頭を撫でる。架純は植物状態となり、俺を見たり、笑いかけてくれることもなくなった。
「俺の方が大人になったぞ?起きたら一緒にどこか行こうよ、……なぁ……起きて」
俺は涙ながらそう言うが俺の願いは届かない。俺は架純が植物状態になってから芸能界でも病気関連や医者に積極的に関わっていった。だけどみんな横に首を振るばかり。俺は架純のことで頭がいっぱいだった。
「うっ……」
架純はそう発する。俺は顔を上げるが架純は目を覚まさないまま。
「もっと……お前に素直に伝えていればよかった……」
そう、実はこのまま植物状態が続くなら架純を安楽死させる方法もあったが、俺と架純の家族が拒否をした。
世界中を探しても架純の代わりなんかいない。
俺は病室を出て事務所に向かうため車を待つ。外は雨がどしゃ降りで俺は傘を開かずに雨に打たれるばかり
「なんでだよ……!!ちくしょう!!」
絶対に架純を1人になんかさせない。俺が追いかけて、追いかけて、絶対にまた2人で笑い合える日をつくってやる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます