第3話

桜のように綺麗に散れたら






















人々への記憶に残るような散り方ができるのだろうか?


















私が死んでも誰かが覚えてくれているのだろうか?















桜の木の下に誰かいる

















「逝かないで」
















その人の顔は花びらによって見えなかった














夢なのに残るのはぬくもりのみ


















ゆっくり目を開くとそこには白い天井があった。そしてもう1人

「架純……大丈夫か?」

そこには雪がいた。あのあと私は倒れたらしく雪が私を近くの会議室に私をソファに寝かしてくれていたらしい。

「大丈夫、授業行かなきゃ……」

「架純……あのあと丸一日寝たっきりだったんだよ?」

「え?」

思い当たる節としては薬の影響だ。痛みをある程度緩和してくれるが、かなりの睡魔に襲われると言われた。そして私はその薬を飲み始めたばかりだったせいでまだ体が慣れていなかった。

「家まで送ってやりたいけどこれから撮影なんだ。」

「そっか……いや!むしろありがとうね!」

ある程度体の痛みもなかったし、体力的にも回復してる。なんとか自力で帰れそうだし。















「よかったら撮影してるとこ見てく?」























ということで急遽雪の撮影を見学することになった私は緊張でバクバクだった。ちなみに今回の撮影はある番組の収録で雪が好きなタイプの人についての恋バナとドラマの番宣をするという流れだ






















「笹原さんはどういったタイプの女性が好きですか?」

「んー、そうですね。僕は好きになった子がタイプですね」

と笑いながらアイスティーを飲む雪。好きになった子がタイプって……

「かなり難しいこと言いますね!ちなみに彼女にはなにを求めますか?」

「んー、僕と過ごす時間を大切にしてくれればいいし、2人が幸せなら求めるものって自然とお互いできるものじゃないかと思いますよ。例えば……どこかで2人で旅行したいならお互いに貯金し合えばいいし……」

雪はかなりガードがかたいというイメージがあった。雪は未だに芸能界でも謎めいてると言われているからそのままのキャラを突き通そうとしていた。



















あなたはいつか私の知らないあなたになって















私の知らない女の人と結ばれる

















私があなたを好きでもあなたの幸せに私なんかはいない




















そんなことわかってるのになぜこの想いは消えないのか




















好きだって思ったのはもう何回目?



















どれだけ優しくても















どれだけ笑わせても
















あなたの隣には私なんかはいない

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