あなたが本当に好きな人は? 私の親友の愛実だったの?

神石水亞宮類

第1話 あなたが本当に好きな人は? 私の親友の愛実だったの?




・・・私は彼と付き合って1年半になるのだが、

“彼が本当に好きな女性を今更のように分かる時がきた!”

彼が本当に好きだったのは、“私の親友の愛実だった。”



しかも? 私は愛実の紹介で彼と付き合う事になったというのに、、、!

だからまさか? 彼の好きな女性が親友だとは思っていなかった。

でも、よくよく振り返ってみると? 彼の目線の先にはいつも愛実が居た。

彼は何故? 親友の愛実と付き合わなかったのだろう?

いや? 彼は彼女に私と付き合うもっと前に【告白】していたらしい。

でも愛実は彼の告白を断った。

彼女は既に好きな男性が居たからと聞いている。




・・・でも? そんな事を知ったら、私は彼とどう接していいのか

分からなくなってしまう。

本当は私の事を好きでも何でもない彼。



『どうした? なんか最近、俺の事避けてない?』

『・・・な、なんでよ! 別に避けてないわよ、』

『お前って、本当に分かりやすいよな。“嘘ついてる!”』

『えぇ!?』

『“嘘つくとき、俺と目を合わせられないだろう。”』

『・・・そ、そんなことないし!』

『何があった?』

『なんでそんなに私に優しいのよ!』

『“彼女だし!”』

『“今でも好きな女性が居るんでしょ!”』

『・・・あぁ、誰かに聞いたのか?』

『まあ、ううん、』

『“もう昔の話だよ、気にしなくていいから。”』

『でも今でも好きなくせに!』

『おいおい? どうした、急にさ。』

『だって、ずっと我慢してたんだから仕方ないじゃない!』

『本当にもう何もないんだって。』

『“本当に信じていいんだよね?”』

『あぁ!』

『じゃあ、信じる!』

『俺の彼女は、優衣だけだよ。』

『・・・うん。』




・・・私は彼にそう言われて、彼を信じることにした。

私は完全に安心しきっていたのだ!

彼がちゃんと私に言ってくれた言葉が嬉しかった。








・・・でも数ヶ月後。

彼は私の親友の愛実と付き合い出した。

私とまだ付き合っているというのに、私は愛実と二股されていた!

当然! “私が親友に勝てるはずがない!”

元々彼は、私の親友の愛実が好きだったのだから彼は付き合えて

嬉しかったはずに違いない!

私は彼からいつ “フラれるのか覚悟を決めて待つしかなかった!”




そうすると? 彼が真剣な顔で私に話があると言ってきたのだ!

とうとうその日が来たのかと、私は腹をくくる。



『ごめんな、大事な話がどうしてもあってさ。』

『・・・ううん、』

『優衣も、もう知ってる事だと思うけど?』

『・・・・・・』

『“俺さ、ケジメつけてきた!”』

『えぇ!? “愛実と付き合ってるんだよね。”』

『いや、』

『えぇ!?』

『俺の今までの想いは伝えたけど、付き合う事はできないって断ってきた! 

今は優衣が俺の隣に居るし。』

『そんな事、信じられないよ!』

『俺さ、いつの間にか優衣の事が一番大事な存在になってたんだよ。』

『た、たくま!』

『こんな俺だけど、今まで通り俺と付き合ってくれるか?』

『うん!』

『ホント、お前がほんと馬鹿で良かったよ。』

『何よ!』

『“誉め言葉だよ!”』

『・・・そうなの?』

『あぁ!』





・・・後で詳しい話を彼から訊くと?

親友の愛実が彼の事を今まで避けていた理由を話したらしい。


“友達の、今の関係を壊したくなかったから。”


でも? 彼女も後になって彼の存在の大きさに気づき、ずっと好き

だったと気づき、彼に告白したらしいのだ!

彼もずっと片想いの彼女にそんな事言われたら? 少しは心が揺らいだ

らしのだけど、やっぱり私の事が1番好きだと気づいて彼女に断ったと

彼から訊いたの!




“あなたが本当に好きな人は? 私の親友の愛実だったの?”



これは! ずっとじゃない、いつか好きな気持ちは他の女性に

移り変わるのかもしれない!

彼もまたいつの間にか? 私の事を好きになっていた一人なのかもしれない

と彼の言葉を私は素直に受け止める事が出来たわ。

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あなたが本当に好きな人は? 私の親友の愛実だったの? 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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