4 青さ


 スーパーでふと見かけた女子学生二人組。


彼女らの髪の毛は真っ黒で艶やかで生き生きとしていた。


私にはそれがとても懐かしくて、綺麗で、羨ましいと思った。


文字通り何にも染められていない無垢な黒。


彼女らの瞳はその髪と同じように真っ黒で、その中には真っ直ぐで揺るぎない光を宿していた。


彼女らの全てが、私には輝いてみえた。キラキラとした宝石のように、眩しかったのだ。その輝きは、かつて私にもあった。それなのに、それはもう決して手に入らないことがわかっているから、心底羨ましくて、なんだかとても悲しくて、私はどうしようもなく、その場から、逃げ出したくなった。


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