第3話 寺田は見た
そう、あれから、寺田のお楽しみは皆に見られることになった。
様々なジャンルがあり、マニアックなものまで。
JK投稿とか、人妻とか……
「ええ。こんな事まですんのか」
それは、寺田のパケットに制限がかかるまで続いた。
当然皆目をつむれば、さっきの映像が蘇る。
そっと起き上がり、トイレに行って帰ってくる。
そんな中で平気な顔をして、寝ていたのは優太と大谷。
周りは気が付く。
こいつら大人だと……
眠たい目をこすりながら皆は出て行く。
寺田は妙に大きい、カメラバッグを担いでいた。
「なんだそりゃ?」
「撮影機材。俺にとってこんな機会はあまりないからな」
塩水の影響にもめげず、装備一式を持って来たらしい。
そして見たことのない、無限大の記号のような羽が付いたドローンや、水中ドローン。
IRカットフィルターの入っていないカメラとかまあ……
捕まるぞ。
無論来たときには、すごい機材だな程度で気にしなかった。
皆とも、水中カメラで、魚がいるとか騒いで、黒瀬がこの辺りは魚や貝を捕っていいというので捕った。
昨夜は魚づくしだったが、今日はバーベキュー。
肉食女子、和奏は大喜び。
ただ焼いたサザエや、タコなどはいけるらしい。
サザエのワタは、人により好みが分かれた。メスの生殖腺は緑で苦いらしい。
七海は平気。
その後わいわいと、花火をする。
普段なら、横から離れない七海が近くに来ず、代わりに愛菜や結衣がうろうろしていた。
でだ、ノンアルだと思っていたチューハイが、なぜだかノンじゃないのが混ざっていたようでハイテンションになっていく。
まあ、腹も張っていたし馬鹿みたいに飲みはしないが、入り江に月がさし込み、波の音だけが聞こえだした頃、七海はふらふらとボートへ向かう。
ボートにトイレがあるのだ。
未だに皆、水着の上に、ぴらぴらしたラッシュガードという格好。
寒ければテントへ入るし、どうせ戻ったときにシャワーを浴びて着替えるつもりだった。ここではタンク容量に制限のある簡易シャワーしかない。
それにボートへは腰まで海につかり、ラダーを登らなければいけない。
小なら、最悪海の中でいけるが、大きな方は流石に無理だ。
そして、黒瀬は今朝から不埒なことを考えていたが、妙に視線の合う七海のことを気にしていた。
ひょっとしてだけど、おれに気があるんじゃねえの? と……
「うんしょ」
そう言って、ボートへ上がる。
トイレは、操舵室の奥。
ドアを開けて、電気をつける。
狭い中で向きを変え座り込む。
入り江と言っても波打ち際へ係留中。
波に押され、そして引かれ、揺れる。
一応タンク式だが、水洗。
流すとトイレ底のバルブが、パコンと音を立てる。
そう昼の海上ならまだしも、夜の海。
その音は、響く。
いきなりドアが開き、口を押さえられる。
「っんん」
「静かに。俺だよ」
犯人は声をかける。
「んんっ」
顔を振るが、手は離れない。
反対の手は、背中に回されて自分を引き寄せているが、背中からお尻へと徐々に下がる。
そう、まだ、便座に座っている状態。
両手で、黒瀬を押すが上半身だけでは力が出ない。
そして、トイレ中で守る物は何もない。両足の間に彼の足が入り物理的に開いているため、あっさりと彼の指が大事な所へ到達をする。
「んんっ」
「騒ぐと、大事な優太君が来るぜ。見せたいのか? それとも優しいから許してくれるのかな?」
そう昼間のうちに、黒瀬に気がありそうな振りをしたのは自分。
なぜかその隙に、他の子が優太の所へ行き、それを見て、自分の方が焼き餅を焼く最悪な結末。
馬鹿なことはするものじゃないと理解したばかりなのに、こんな事になるとは……
「んぅつ。ふうっ」
いつもと違う慣れない手つき。
なんだろう、月の明かりと揺れ、音。
ふと、触られているところを意識した瞬間、ぞくぞくときた。
信じられない。
軽くいってしまった。
「んんぅ。ふうっ」
ボートに付いている、水槽の蓋の上へ移動。
トイレから引っ張り出される。
水着は足下にまで下がっている。
船縁に手を突く体勢で、そう四つん這い状態。
乱暴に指が差し込まれ、かき混ぜられる。
まだ、口から手は離れず、息が苦しい。
足が、痙攣をする。力が入らない。
そう非日常な雰囲気でスイッチが入った。
気持ちが良いけれど、もどかしい。
そこじゃない。
彼女はなんとかしたいと、あがく。
そう、せっかくなら、きちんといきたかった。
それをまあ、逃げようとしてると勘違いをしながら、あわてて彼は自分の物を取り出し突き込んできた。
違う。もっと奥まで。
とっさに思った言葉。
うん。もどかしい。
それは本来の機能なのか、体位によるものなのか……
一応軽くいき、それが冷めると共に言ってしまった。
「お粗末ね」
そう優太以外と初めてして、駄目だという事が判った。
彼はがっくりと、肩を落とす。
私は、何もなかった様に船から下りて、海の中でゆすぐ。
皆は、テントの中へ入って寝ているみたい。
私は一本ジュースを選び、飲み干すと眠りにつく。
そう後悔をしながら。
それで何もなければ、無かったこととして終わらせるつもりだった。
だけど、それは静かに見ていた。
「優太。おきろ。あっという間のことで助ける暇が無かったが…… 彼女も喜んでいたから」
そう、寺田のドローンが捕らえた映像。
そこには、自らねだっていた七海が映っていた。
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