第3話 三者三様

 婚約者の話は、速攻でお隣へ通告されたようだ。

 その日は、お隣で、なんか言い合う声がしていた。


 その夜半、窓の外からか細い声がしていたようだが、親からの命令があり、相手にしなかった。


 そして夏休み。

 お琴の発表会があるというので、お出かけをする。

 大学のサークルとして参加らしいが、親や兄妹とかに見せる意味合いでも強いのか、演目がきらきら星とか、わかりやすいもので助かった。


 そして、水季の親参上!!

 前回と違い、俺の心臓は完全に口から出ていた。

 この年で親御さんとのご挨拶。

 事前に調べると、こう言うときは殴られるモノとか、お前のような奴には娘はやらんとか色々ネタは書いてあったが、そんな事はなく、水季がかわいそうな目で見られ、ごめんなさいねぇと逆に謝られた。


 まあ一応、今の成績とか、大学には行くのかねとかは聞かれた。

「水季さんのおかげで、成績は上がりました」

 そう言ってヨイショをしておく。


「おまえ、高校生って、犯罪だぞ」

 そんな声が、水季のご両親から聞こえた。

 最近は色々とややっこしいらしい。


 俺がそんな事をしていたとき、凜はスマホを握りしめて、電車に乗っていたようだ。

 その切っ掛けは、どうも強引に電話をして、「うざっ」とか言われたらしい。

 本人は今バイト中と言ったようだが、後ろで女の声がしたとか……


 そして、彼。先輩のスマホに着信がやって来る。

 それは、部屋の中で鳴る。

 でない。

 ぷつりと切れる。


 だが…… それは、再度鳴る。


「はい。何だよお前。しつこいぞ。ああ? 今バイトだよ」

 そう、彼はいつもの様に答える。


「嘘つき…… 私…… 今あなたの部屋の前にいるの…… 今何をしているの……」

 そして、アパートの部屋。

 ドアがノックされる。


 こーん。こーん。

 それは、まるでどこかの木に、釘でも打つかのような……


「わーたーしー。あけてぇ」

 そんな声が廊下に響き渡る。

 そう、そんなに大きな声ではない。それなのに……


「やかましいわね」

 出てきたのは、彼ではなく、少しケバ目の女の子。

 ドアを開け、凜を見た瞬間、彼女は三歩下がる。


 白いワンピース。

 麦わら帽子と、黒い髪。


 彼女は、幾日も眠れず、隈を化粧で隠していた。

 それが涙で濡れ、白い涙が流れる。

 ぽたりぽたりと……

 目は泣きはらし、真っ赤に充血をして、それが、下から覗き上げる。


「ぎぃゃあぁぁ」

 ドアが再び閉められる。


 こんこんこん。

「あーけーてぇーーー」

 その光景は恐ろしかったらしく、近所さんが通報を行い、警察沙汰となった。


 警官も、最初に見た瞬間、一歩下がったようだ。

 どう見ても、この世のモノとは思えなかったとか。


 

 そして、俺達は双方の親から許可が出て、本気で付き合い始めた。

 無論、頑張れという、周囲の思いもあり、勉強を頑張る。

 

 彼女が、四年になりゼミでうろつく頃、俺は入学をした。

 学部は違うが、同じ大学。

 国立だ。


 凜は、どこかの私学へ行ったとか……

 あれ以来、隣なのにすっかり疎遠となり、両家での年中行事もなくなってしまった。


 そして、凜はストレスからなのか、立派なお相撲さんに変化をしていた。

 一人暮らしで、ダイエットが出来ることを祈ろうと思う。


 そしてどこかの町。

 白いワンピースで麦わら帽子の女の子が、ドアを叩く伝説がで来たとか。


「ねえ私…… ドアを開けてー」


 その時見た女の子は、そう先輩の彼女は、胸が立派だった。

 だから、凜はマネをしたが、体全体が立派になった事を、彼女以外は知らない。




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 夏の、怖いようで怖くない話。

 だからなんやねんという、話でした。


 いや、考えていた話とは違って、思いつき話です。

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