第4話 やばい奴らは、暴走する

 日曜日には、 璃子が部屋にきて、まったり過ごす。

 そう、いつもの様に……



 そして、月曜日。

 月曜日には当然だが、授業がある。

 多少髪型の変わった、諒威。

「おっ。イメチェンか? ダーク系ヒーローかよ」

 WEB小説やアニメの関係で、前髪を下ろすと、ダーク系ヒーローらしい。


「ちげえよ。あの計画の一環だ」

「ああ。妹育成系、告られミッションか。こっちからいえよ」

「それでも良いんだが、なんとなくな」

 先日は興味も無く、そんな無駄話はスルーを行っていたが、今日は教室の端からでもすべてを聞き漏らさないモードの広見。


 妹育成系? 告られミッション? どういう事それ?


 そして、モテない野郎どもは、委員長に詰め寄られ、すべて白状する。

「一個下の幼馴染み。幼馴染みから恋人への、ジュブチェンジイベントですって?」

 私のことを好きじゃなかったの? 浮気者……


 土曜日の晩と日曜日。

 その一日ちょっとの間に、すっかり妄想は進み、枝幸とラブラブカップルになってしまっていた委員長。

 すっかり体の関係になり、昨夜は新婚のように裸エプロンまで披露した。

 無論すべては、妄想だが……


「許さない……」

 だそうだ……


 平日は、妙な視線を感じながら、睨まれるだけで済んでいたが、土曜日には許されない。

「ねえ。諒威」

「はい?」

 いきなり名前呼び。


「明日は、家族もいないの。家へ来ない?」

「いや、そりゃまずいだろ」

「男としての魅力を…… 引き出してあげる」

 そう言ってなぜか、諒威の肩にしなだれかかり、顎下を指でなで上げる彼女。


「いやな予感が。だが、彼女の目を見たせいか、なにか、ぞくぞくするものがある」

 だが……

「判った」

 諒威は男。誘いに弱かった。つい返事をしてしまう。


 約束の通り、彼女の家へと行ったのは昼前。

 いくと、深井さんも居た。


 二人っきりじゃなくて安心したが、昼食を頂いた後、記憶が途切れる。


 気が付けば、蓋のされた浴室で上半身は蓋の上。

 服は脱がされていた。

 おい。なんだよこれ。

 そう言いたかったが、もごもごとしか言えない。


 手首は縛られて、手すりに固定。

 下半身は、なぜか足首に枷がはめられていた。

 そう棒の両端に、枷がセットされていて足は閉じられない。


「気が付いたわね。さあ新しい世界を開きましょう」

「そうそう。大量に仕込んだ下剤も、もううすぐ効くはず」

「うおっ。おおぉ」

 口には、ボールギャグがはめられていた。

 そう、強制的にやばい世界へ引っ張り込まれたようだ。

 それは、諒威の心を折るには十分な行為。


 その後、彼は我慢が出来ず、尊厳をぶちまけ、指を突っ込まれて前立腺マッサージで強制的幾度も果て…… あげくに二人と行為をする事になる。

 夕方、委員長から、スマホの画像を見せられながら解放される。


 当然家の外では、璃子がぐるぐると回っていたが、当然中へは入れず。

 夕方、放心状態で家へと帰る諒威を見つける。


 日曜日は遊びに行くと、部屋にいたが、いつもと違い。彼は魂が抜けたような状態で転がっていた。

 ただ音がすると、ビクッと反応する。



 土曜日、また誘いを受けて家へと向かうが……

 金曜日の晩に、諒威は『助けてくれ』とメッセージを入れ、やばいと思い返して、削除をしていた。

 だが一瞬で、璃子はメッセージを見ていた。


「お兄ちゃん。どうしたの?」

 消されたメッセージ。璃子は行動を開始する。


 そして、諒威が新界家の玄関をくぐる直前、割って入る。

「あんた、お兄ちゃんに何をしたの」

 玄関にいた委員長。彼女にそう聞くと、彼女はにちゃあと笑う。


「―― ナニをしたで、あっているわ。とってもエッチでステキなこと。新界君てとっても強いの。ステキなのぉ」

 それを聞いて、璃子はなんとなく理解をした。

 お兄ちゃんに裏切られた? この女とエッチをした?

 あっでも、私たち。付き合っているわけじゃない……


「まあ入ったら……」

 そうして、中へ入り、ドアが閉まる。

 ドアロックが、自動でガシャンとロックされる。


 居間の方へ向かう途中、廊下に妙な張り紙を見つける。

『此処で、服を脱ぎなさい』

『お風呂に入りなさい』

 予定が変わり使われなかったようだが、まるで、注文の多い料理店のようだ。


「まあそんなに、いきり立たないで」

 そんなことを言いながら、麦茶だろうか、テーブルの上に出される。

 つい二人とも手を出して、途中で諒威は思い出す。

 だが……

「どうぞ。飲んで諒威くん」

 笑顔の委員長。ああ、やっぱり。


 そして、同じ光景。風呂の蓋。

 だが横には、璃子。


 そしてまた絶叫。


 女三人相手に、マッサージで強制的に元気にさせられて、責められる。

 問題は、璃子。

 諒威には隠していたが、そっち系。

 素質があったようだ。


「あはっ。さっきいったばかりなのに、もうこんなに」

 羞恥と共にどこかはじけたようだ。


 すでに、広見と真理を従えている。

 妙なカリスマ性を発揮している。

 すでに、二人は快楽の底に沈められてしまった。


 少し時間はもどり、一時間ほどで、ぐったりしていた璃子から手錠が外された。

 それが間違いで、あっという間に二人は取り押さえられて、拘束される。

 そして、色々な所ににおもちゃがねじ込まれてフルパワーで動作中。

 そこに容赦は無かった。


 その横で、初めての経験をじっくりと、諒威と楽しみ。二人に見せつける。


「どっちが、先にお兄ちゃんとしたの?」

 などと言いだして、そこから先。二人はしもべとなった。


 俺は、その光景を見ながら、高校を卒業するまで相手をさせられたが、卒業を機に姿を消した。


 どうしたって、俺からすると璃子は怖かった。

 俺には優しかったが、逆にそれが、何時変わるかもしれないという恐怖を俺に与える。


 あの二人は二人で怖かったが、あれ以降、璃子はあの二人を人としてみていない気がした。

 かといって、怪我をさせるとか暴力を振るうわけではないが、限度を超えた快楽というのは暴力のような気がする。

「ほら、好きなんでしょう。満足するまでいきなさい……」

 気を失っている二人を見つめる目。


「やっと、静かになったわね。お兄ちゃん好き。いっぱい愛して」

 表情まで全く変わり、求めてくる。

 それは愛らしく。昔からの彼女。

 だけど…… 俺は怖かったんだ……。


 十年経った今でも、ふと「お兄ちゃん」と聞こえると怖い。


「みーつけた……」

「うわああぁ……」



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 お読みくださり、ありがとうございます。

 一種サイコ系ですかね。

 ありそうでなさそうな、いなさそうでひょっとするといるかも。

 

 官能小説ほども書く気はなく、恋愛レベルの絡みを書こうとしても、規定を読むと色々と引っかかるので、随分制限をしています。中途半端ぽいですが、ご了承ください。


 次作は、中途半端な関係が、高校二年の夏休みに変わる話です。

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