第3話 高校のある日

「どうだった?」

 3月の初め、公立の学校一般試験日。


 湊は、随分と引きつっている。

 私学は合格をしているので、こちらが駄目でも高校には通える。

 ただし、かわいいことに。湊大と一緒に通うと言って頑張った。

 先生には、無謀と言われたそうだが。


「うう。やばいかもしれない」

 半泣きになりながら、途中で、神社に行ってお願いをして帰った。


 そして、僕は当然通り、湊は落ちた。

 発表見たとき、大口を開けて、ガーンという表情。始めた見たよ。

「私は馬鹿だった」

「そんな、地球は青かったみたいに、言わなくても」

 そう言うと、いやそうな顔になる。


「公立に通らなかったら。絶対ばばあに、ぐだぐだ言われる」

 湊は最近、お母さんのことを、ばばあだの鬼婆だと口にする。

 どんどん小言が多くなり、あたってくるようだ。

 自分より若い人間が、どんどん偉くなり。

 自分は、出世コースから外れ、転勤も止まって。

 本社へ戻れなくなったと、嘆いているようだ。

 

 そして子供にあたる。

 お父さんがなだめるが、最近は聞かないようだ。

 前は、美味しいもの作って食べて飲んでしまえば、以外と復活していたようだが、最近は駄目だと言っているようだ。

 お父さんから見ても、睡眠の不安定さと、体の倦怠感、そして食欲の無さ。

「母さんは病気かもしれない」

 そんなことを言っていた。



 そして、2日目の晩。

 お父さんが、2人を連れてきた。

 見ると、湊の頬と唇が腫れていた。

「申し訳ありません。妻を落ち着かせ、病院へ行ってきます。少しの間。子供達をお願いいたします」

 そう言って、お父さんは2人を置いて帰っていった。


 だが、その晩お母さんは、自殺騒ぎを起こし。すぐに入院となった。

 翌朝、電話が掛かってきて、精神的な病で、入院加療となったようだ。


 その晩、湊と海。3人でお風呂に入り、お母さんにあきれられた。

「ギリギリ、中学生だけど、どうなの?」

 そう聞かれ、父さんも困っていた。


 いや、お泊まり。

 それも、親公認。楽しかったよ。

 まあ、それも春休みの間。

 一週間くらいだったけどね。


 そして別々の高校。

 湊が通うことになった、私学には。

 残念なことに、昔つるんでいた先輩達が通っていた。

 パワーアップして。


 幾人かの、女の子をだまして、写真や動画を撮り、ネット上でデータを売っていたりそんなこともしていたらしい。

 無論。これは後で知ったことだが。

 


 始業式で、会ったらしく。湊が学校の帰り道。

 家によって、うだうだと文句を言っていた。

 同級生に頼んで距離を取り、守って貰うと言っていた。

「何だったら、一年後。公立を受けるかとも言ったが、入学金とか制服。その他諸々でかなりお金も使ったし、お父さんに無理も言えないよ」

 そう言って、悲しそうに笑い。キスとハグをして帰って行った。


 今は、料理とかをお父さんに習い、お母さんの面倒を見ているようだ。

 投薬で大分落ち着いたから、もうすぐ仕事にも行けるかもしれないとも、言っていた。


 そんな事があった、ある日。湊が青い顔をして、逃げ込んできた。

「どうした?」

「誰かに、付けられていた」

 そう言って、窓から外を覗く。


 そう言う、湊はのスカートは超ミニ状態。

「おまえなあ、そんな格好をするからだろ」

 俺があきれると。

「見せパンだし。おや、湊大、焼き餅かな?」

 からかうように、そう言って、にまにま笑う。


「そうだな。それに、後を付けられる様にもなる。やめとけ」

「へーい」

 そう言ってまた、にまにまと下から人の顔を覗く。

 最近は俺の方が、背が高い。


 周りの様子を見がてら、家に送っていく。

 まあ、そんなに離れていないけどね。


 帰りもぐるっと見て帰ったが、怪しい奴らは居なかった。



 その年は、夏祭りに花火。楽しかったよ。当然、2人きりじゃなく、海も一緒に行ったが、途中で同級生らしき女の子と、話をしている姿を見て、思わず嬉しくなってしまった。

 無論、湊がその事で、からかう。

「そんなんじゃ、無いし」

 そう言うが、顔は真っ赤だ。


 いや楽しかった。そして、冬のイベント。

 その頃ちょっと、湊のお母さんが体調を崩したが、すぐに良くなった。

 


 春のサクラも、見に行って。一年経つと、湊のお母さんも大分落ち着いたようだ。

 仕事の、配置換えもあり、ゆっくり出来る部署になって、出世からは、完全に外れたが、その分。気持ちが楽になったようだ。


 そんなこんなで、落ち着きを見せ始め。

 梅雨が終わり。


 暑い夏が来たある日。

 湊が消えた。



 湊のお父さんと共に、学校からの帰り道をくまなく探し回ったが、手がかりはなく警察には届けたが、反応が芳しくなかった。

「だー畜生」

 そう叫んだ後。湊のお父さんは電話を始めた。


 すぐに、前に港で聞いた音とは違うが、腹の底に響く音を出す車が、周辺で走り回り出す。


 失踪した、次の日。

 警察を連れ、お父さんは湊を発見したそうだ。

 表向きはドライブをしていた人が見つけ、彼女を知っていたため。父さんに連絡が来たとなっている。本当のところは、知らない。


 彼女は、車で攫われ。レイプされる前に逃げ出した。

 だが、追いかけてきた奴らに、車ではねられた際。谷底へ落ちたらしい。

 犯人は、この春卒業した、卒業生グループ3人。だったらしい。


 そこまでは、教えてくれた。

 その後、湊のお父さんは、ぼそっとつぶやく。

「奴らはもう。悪さは出来ないから。安心してくれ。去年手を、いや……すまない湊」

 そう言って、お父さんが、検死から帰ってきた彼女へ、報告をしていたのを聞いた。


 無論。何が起こったのかも教えてくれない。

 そして、今日も僕は、海に勉強を教えている。海は警察官になるそうだ。



-------------------------------------------------------------------------

 えー。今回は啓発的に。

 春から夏へと向かうと、性犯罪が増えるそうです。

 薄着になりますしね。

 私は、かわいいから危険と思う方は、特にご注意ください。


 昔、県警の面々と飲んでいたときに聞いた話です。無論。犯罪が増える方。

 内容は、当然フィクションです。

 イニDな方々が、何をしたのか知りません。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る