家庭の事情(咲那と颯大)

普通だった子供の頃

 咲那と颯大は、ずっと幼馴染み。

 育った場所は、新興の住宅地。

 田んぼの中に、ぽつんとできた場所。


 無論、保育園も同じ。家も隣。


 両家共に共稼ぎで、お互いに育児休暇を取れた方が、協力をして子供を見ていた。

 その為、子供達4人は兄弟同然で育ってきた。


 僕が、小学校5年までは。


 咲那達のお父さんは、疲れたと言い残し。別の女の人と家庭を持つため。出て行ったらしい。咲那と、芽衣。2人姉妹。

 そして僕。颯大と柚月。兄妹。


 5年生からは、ほぼ家に2人はいた。


 学校から帰ると、家の子供部屋に集まり。

 宿題をする。僕が5年生そして、咲那が4年。

 柚月が3年で、芽衣も3年。


 僕も教えるし、咲那も妹たちの勉強を見る。


 咲那達のお母さんは、いつしか家に、恐縮するようになっていたようだが。

 僕たちは知らず。


 中学校に咲那が入ってきた頃から、彼女が着ているものが、どんどん古くなっているような気はしていたが、特に、気にしてはいなかった。

 芽衣ちゃんは、柚月の服が着られたので、お母さんは仕方が無いと。今思えば愚痴を言いながら世話をしていた。


 やがて、僕が中学3年になった頃。咲那と、芽衣は引っ越し。家の横は、売り家となった。

 引っ越し先は、市営住宅? と言う所で、校区は同じ。


 お母さんは、帰ってくる時間が遅いらしく。同じように、家へ来ていた。


 そして、僕が高校へ入学。

 その頃から、咲那のお母さんは、夜も働き始めたようだ。

 後で知ったが、2人を家で世話をし、月一万円だけ。二人のためにお金を払っていたようだ。


 そして、ある日。

 咲那に聞かれる。

「エッチって、気持ちいいのかなあ」

「さあまだ、したこともないし。高校生だしね」

「そう。ね。ねえしてみる?」

「いや、赤ちゃんができると、困るし」

「そう。だよね」

 そう言った時の、彼女の顔。表情に気がつくべきだった。


 それから、半年くらいで、咲那達はいなくなってしまった。

 学校からも。


 詳細は分からないが、パパ活なのか、お母さんが店で誰かを誘い、斡旋をしたのか不明。とにかくばれて、住めなくなったようだ。



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 今回非常に短いです。

 ちょっと力尽きて。

 この話、日本の貧困と言うことが、昨今問題になっています。

 物価が上がったという事は、実質給与の削減ですからね。

 気になる方は、調べてください。

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