第5話 卒業

「あーだるい」

「何言っているの? 今日で最後なんだから」

「何言ってんだ? 大学一緒だろ。よりにもよって、機械制御システム学科なんてChat G○Tのおかげで、風前の灯火だってよ」

「あーそれね。参ったわよ。試したけれど、したい制御を書き込んで、お願いすればソースが帰ってくるんだもの」


 だらだらと、高校への道を歩いて行く。


 横にいるのは、超絶変態美少女結月。

 ただまあ。本人に言わせると、そうなるのは俺のみだと言うことだ。


 学校へ到着し、教室へ入る。

 みんなの目が一度、こちらを向くが、男子の目は一気に背けられる。

 まあ、これも今日で最後。

 そう考えれば、良い思い出だね。


 この学校、1クラス40人で5クラス。

 200人入学で、今回卒業は、なんと……。

 でででで。じゃーん。


 175人。

 例年、学年につき3~4人は減るらしい。

 それよりも多かったのは、逮捕されたりなんやかや。

 

 あの晩。

 あのまま道路脇で座り込み、泣いていた愛結。

 バッチリ、職質を受けたらしい。


 で、よくわからんが、スマホの画像ファイルを警察が確認して、これはけしからんとなったようだが、俺も気になった会員制クラブっぽい奴。


 あれに写っていたおっさん達が、色々偉い人たちだったようで、未成年相手、証拠あり。まあ、それに関わる奴がぞろぞろと出てきた。


 あの後、連日学校の前に、記者さん達が押し寄せていた。

 ちなみに、入学希望者が激減して、今の1年生は2クラスしかない。


 ちなみにおれも、調査の最中、中学校の時にただれた関係が、どうのこうの言われたが、しらねえ。そんな関係はないと言い切ったら、部分アップの写真ばかりで、特定できず。

 うやむやになった。


 あの頃に比べて、色んな所も育ったしな。

 第一、俺のスマホに一切履歴がなかったこと。


 連絡先を見て、捜査担当者さんが励ましてくれた。

「勉強も大事だが、友人も、できればつくった方が良いぞ」

 と言われた。


 それでだ。

 今しらっと横にいるこいつ。

 結月だ。

 実は、事件最初のとっかかりで、愛結に野球部の先輩。

 そいつをけしかけたのが、こいつだった。


 先輩さん。まあ口車に乗ったが、なんとなく愛結を気に入ったらしく、最初本気で告白して、一蹴された。

 それは、俺も聞いていた話。


 だが、その後。

 相手にされなかった奴が、後生だから一度だけデートしてと言って来て、それに誘われ一回なら良いかと、愛結がついて行った。


 まあバッティングセンターに行ったらしいから、一応警戒はしたんだろうが、そこは奴らのたまり場だった。

 買ってきたジュースに酒が混ぜられていて、それを、買ってきて今蓋を開けましたと言う、お手軽トリックにだまされ、飲んだらしい。


 それでまあ、やっている所を撮影されて、脅され。相手をさせられたが、愛結の変態的好奇心が発揮された。複数人。これは良いと開眼し、後はもうなし崩し。


 そこで、ちょっとアルバイトと言うことで、某ホテルで開催されたパーティに参加。


 それにより、かなりの逮捕者が出たらしい。


 おかげで、去年の卒業式は非常に簡素で、あっという間に終了したから、今年も期待をしたが。

 今年は校長、通常運転だな。非常に残念だ。


 とてもありがたい、全く記憶に残っていないお言葉を頂いて式が終わる。


 外に出ても、高校入学の時まで、うちの親と一緒に待っていた愛結の両親はいない。よそへ引っ越したらしい。


 ところがだ、夏目さん。

 言わずと知れた、結月のお父さん。


 うちの親父が取引をしている会社で、そこそこ偉い手さんらしく、喜んでいる。

 実際は違うが、俺の心情的につい言ってしまった、愛結とは高校に入ったときに別れたと。

 そのことを、今回騒ぎが起こり、親父に説明したときにはブチブチ言っていたが、その後の逮捕者や退学騒ぎ。


 そして、俺にくっついて離れず。強引に両親に紹介させられたが、その後。

 結月のお父さんと、会社での雑談の中で、娘が息子さんとお付き合いをさせていただいていると。

 家でも、娘が気に入っていると聞かなくて。絶対彼を絶対離さないと、騒いで泣いたのだそうだ。


 後に、ナイス判断と言われて。

 まあそれのおかげか、小遣いが千円増えた。


 まだ、こいつとどうなるかは不明瞭だが、俺に引け目がばれたし、かなり忠犬だから離れることはないのかもしれない。


 ただこいつ、症状が進んで。

 俺と二人だと、うれションするんだよな。

 本人は否定して、あれは違うものと言い張っているが。


 俺たちは高校を卒業して、新たな一歩を踏み出す。




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 お読みくださり、ありがとうございます。


 今回、気持ち中心で行動をする人間。

 それを、考えてみました。


 普通、何かをするときにこうなるんじゃないか、その推測を与えず行動するとどうなるだろう。

 まあ子供が無鉄砲なことをする。大人はそれを見て危ないからやってはだめと注意する。ですが、子供からは、やってみないと分からないじゃないかと、返事が返ってくる。


 まあ政府もそれを危惧して、論理的思考プログラミングを教えて何とかしようとしているようですが、もっとChat GPTみたいなものが、広がってくるとどうなるんでしょうね。

 ちなみに、私も使い始めて、あれ、便利ですね。


 それと、結月ちゃん。意外と質が悪く、もっと色々絡んでいるが、優斗は知りません。

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