オンとオフの激しい男西郷

 「寺田屋事件」の起きた後に遠島になるのですが、どうも久光を中心とした人たちには「西郷が過激派を先導した」ように見えたのかもしれません。

 なぜなら、遠島は元々、徳之島だったのにその後沖永良部島になり、明らかに待遇も重罪人のそれとなっていますので、池田屋の過激派扇動の罪が加算されたと考えるのが妥当でしょう(事実はどうか走りませんが藩上層部はそう思っていた節があると思われます)。

 

 その後、沖永良部で2年過ごしますが、人相が変わるくらいにやつれた状況にまでなったといわれ、1864年に鹿児島に戻されますが、それ以降の西郷は、まるで人が変わったように、そこから4年間、歴史の表舞台に出続けます。


 禁門の変(蛤御門はまぐりごもんの変)、一回目の長州征伐ちょうしゅうせいばつや、打って変わっての薩長同盟さっちょうどうめいに、王政復古おうせいふっこ大号令だいごうれいの裏でのやり取りから、江戸城開城の交渉に、戊辰戦争ぼしんせんそうと出づっぱりにです。

 その中で弟で家をずっと守っていた次兄吉次郎(隆廣)が戦死します。そしてある程度、勝勢になったときに、彼は鹿児島に引っ込みます。


 このオンとオフの切り替わりがすごすぎて、彼の行動は理解しきれないのですが、大西郷と呼ばれた人物の生涯を見てから、仮設、私説として書きたいと思っています。

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