私の最初に見た西郷の記録

 前回で述べた遠島が今の歴史観では最初の遠島となっていますが、私が最初に西郷隆盛の人物伝を読んだときには、その前の恐らく、江戸に行く前に遠島にあったというのを記憶しています。それも禁漁区での密猟というとてもしょぼい理由でした。

 

 この話がなぜ作者が書いたのかが知りませんが、他の作者の信長の本能寺の変の時に、「おのう」という女性の戦死者があったことと、濃の方をむすびつけたのだろうというものだったので、これにも元ネタがあるのでしょう。(元ネタは山岡祖八氏の『織田信長』だとおもわれる。)


 問題は1862年まで西郷は島で暮らし、その後、島津藩内の過激派と穏健派の対立である「寺田屋事件(坂本龍馬と違う方の)直前に一度、戻ってくるのですが、その直後にほとんど何もしないまま再度の遠島になります。

 問題は何を働いたかわからないのですが「沖永良部島おきのえらぶじま」に行かされているというので、死罪の一歩手前の何かを主なったのでしょう。

 そこで1864年まで過ごし、その後は本土に戻っています。よくよく考えると、西郷のいないときはほとんどが、島暮らしであり、本当に本土の人間だったのかわからないくらいに島暮らしの期間が長いです。

 明治以降も10年の間の半分以上は鹿児島で暮らしています。この人物は本当に何なのでしょう?まるで必要以外の時間には存在しない人間にしかやはり見えない人物になっています。

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