第5章 以前からの課題であった大西郷の話

1話目 大西郷とは何者なのか

 私が、小学校の頃に読んだ「漫画で読む 西郷隆盛さいごうたかもり」というのが私が最初に、大西郷だいさいごうと呼ばれる人物を知ったきっかけでした。


 彼のプロフィールをざっくり書いていきます。


 西郷隆盛、幕末ばくまつ維新いしんで活躍した島津藩士しまづはん し。であり、明治10年に西南戦争せいなんせんそうを起こし、敗北後に、鹿児島の城山しろやまにて自刃。享年51歳だったといわれている。


 ざっくり書くとこうなのですが、私が最初に読んだ本以降、いくつかの相違点があります。

 まず西郷さいごう吉之助きちのすけ(通称、西郷家の家長の通り名)の隆盛は本当は西郷の父のいみなであり、元々彼に付けられた名前は「隆永たかなが」であること。3番目の弟の諱も隆興たかおきだったのをこれ期に記録するときに従道つぐみちになったこと。

 これらのことは、戸籍の管轄との意思の疎通の不十分さから起きたが、彼らは気にしなかったということになっています。

 いくらおおらかな人でも、なぜそんなにいい加減であったのかが不可解です。中村半次郎なかむらはんじろう桐野利明きりのとしあきは、その名前を消すことに意味があったであろうし、長州の桂小五郎の木戸孝允きどたかよしも明らかに前の名前を消す行為なのですが、それらには本当に意味がなかったのか?


 大西郷と呼ばれた吉之助(今後は隆盛で統一します)の、遠島の回数も、私が最初に聞いた回数は3回でしたが、現在では2回ということになっています。

 そしてほとんど活躍の機会を与えられずになくなる、次男の吉次郎きちじろう、4男の小吉こきちなどの謎の人物。

 よく言われる写真が残っていないことと、遠島時代の妻の愛加那あいかなの、上野の西郷像を見た時の「うちの人はこげなひとじゃなか(私の旦那はこんな人ではなかった)」という言葉の意味。

 そのあたりを中心に考えて、何話かに渡って考察をしていきたいと思っています。




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