中国四大奇書 水滸伝 3‐3 登場人物の名前の不思議

 宋江の時に、「宋の時代に宋という姓があるのか?」ということから、様々な考えを行ってみます。


 宋代の物語ですが、明らかに書かれたのは明代になってからでしょう。西遊記、三国志演義、金瓶梅とのリンクも見られますし、ひとによってはと言われる人もいます。

 それよりも登場人物の名が気になります。林冲りんちゅうという人物は彪子頭ひょうしとう(豹の子の頭)という意味の別名があります。楊志ようしという人物は青面獣せいめんじゅう(顔に青いあざがあるため)、史進ししん九紋龍くもんりゅう(背中に9つの首のある龍の彫り物があるため)と、特徴のありすぎる別名があります。

 ほかにも暴れ者の《りき》、知恵者の呉用ごよう、武人の三兄弟、阮小二げんしょうじ阮小五げんしょうご阮小七げんしょうしちなどなど、みてまわると、何か気になりました。


 これって国とか地域の擬人化なんじゃないの?林という苗字と豹という別名から連想されるのは中国南部です。阮小二などの阮も元の時代を思い起こされるし、呉用の呉はいまの揚子江以南、楊というのは隋の皇帝の姓ではなかったのか?とされています。偶然なのでしょうか?

 後半の水滸伝は宋国を守る話ですが、のちに金によって揚子江流域まで南下し、足利義満が貿易をしたのがこの南宋だとされています。

 この部分の推論は私見であり一般論とは違っているというのを付け加えておきます。李逵と、金瓶梅にリンクしている武松ぶしょうは「虎を殺した」とされています。この虎がアムール虎などの動物なのか?中国人が自称する「虎」なのかはわかりかねます。

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