中国四大奇書 水滸伝3-1 梁山泊とは

 いつの時代の話であるかは知りませんが、中国の人は「三国志演義で忠義を学び、水滸伝すいこでんにておとこの友情を学ぶ」のだそうです。

 水滸とは「水のほとり」という意味らしいのです。まあ水滸伝の舞台の中心地は梁山泊りょうざんぱくという水の中に浮かぶ島の要塞です。ちなみにパチンコとかのギャンブルでよく使われる「梁山泊」という言葉の語源はここにあります。

 という意味のようです。


 まあ上の記述が基本的な水滸伝の物語のプロローグのようなものなのですが、梁山泊には3代の首領と呼ばれる人がいました。一人目は王倫おうりん、二人目は晁蓋ちょうがい、そして三人目が宋江そうこうと呼ばれる人物です。

 ほかにも北宋の末期に北荻ほくてき田虎でんこ率いる田氏)の進攻に対して一度押し返した人物が宋江と言われる人物で、この作品では同一人物とされています。


 まず最初の首領とされる王倫という人物は、地元では有名な神童とされ、都において科挙かきょ(キャリア試験のようなもの)を受けますが、落ちます。彼は地元に帰ることも出来ずに、数人の仲間と梁山泊に居を構えます。このあたりの梁山泊は湖族こぞく(湖の盗賊)という表現がぴったりだと思われます。


 二代目首領とされる晁蓋は、また変わった人物です。ある地域を収める名士だったのですが、宋の中央に輸送中の御用金ごようきん強盗を旧知の人物と、旅の人物、公孫勝こうそんしょうという人物と協力して強奪します。

 しかし当たり前のように帰る場所を失って、彼らは徐々に力をつけてきていた梁山泊に逃げ込みます。この時に首領であった王倫との間に紛争があり、晁蓋が二代目の首領とされます。それなりの人物だったらしいのですが、これだけを読むと、どこにそんな魅力があるのだろうという感想しかありません。


 三代目首領は宋江そうこうと呼ばれる人物です。この人物については次回、詳しく説明します。ただ宋の時代に宋江って、なんかおかしな感じがしますよね。令和さんとかいるんかいなって思ってしまいます。

 一応この宋江は救慈雨きゅうじう(めぐみのあめ)と呼ばれるほど人徳のあった人物だそうです。私が読んだ内容では、「そこまでの人物か?」というのが私見です。


 このあたりについては次回に書きたいと思います。

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