中国四大奇書 その2ー1 三国志演義、正史との関係性 

 「三国志演義さんごくしえんぎ」につて話をする前に「三国志関連の書籍を何種類知っていますか?」と尋ねてみたいと思います。


 私は10年ほど前だと4種類と、答えます。「正史三国志」「三国志演義」「反三国志はんさんごくし」そして「華関索伝はなかんさくでん」というスピンオフの4つは知っていましたが、それ以外にもあるようです。


 正史に至ってもバージョン違いが存在し、宋代の裴松之はいしょうしという人物のまとめたものと、明代に二人の人物が別々にまとめたものがあり、演義に至っては数えられないくらいのバージョンがあるようです。

 「反三国志」も、もし劉備の天下が存在したらというIF小説ですし、関索という人物は関羽の子供と言われていますが、実際の正史には全く名前のない人物です。


 ここで正史が4つのバージョン存在することと、それがしんに作られたという総原本の後には、宋代と、明代に作られたことに意味があるようです。

 中国による歴史書は「次の王朝が著作」するらしいのですが、それ以前の歴史書は、基本「焚書ふんしょ」とされます。

 その為、前の時代の歴史書が必ずしも正しいわけではなく、その書を書いた人の感情によって左右されます。


 中国の歴史を考える前に「中華思想ちゅうかしそう」に簡単に触れておきます。よく言われるのは「」ですが、その他にもその特殊な考え方があります。

 1つは「皇帝こうていは天が選ぶものであり、その国は天から統治を委任されている状態であり、その国が堕落だらくしたり、天が見放したりした時は、必ず予兆が現れる」。この予兆は天変地異や、動物の異常行動などを指しています。

 そして天命の尽きた王朝を「」というものが、裏のテーマにあります。


 このことを頭に置いておかないと、価値観の違いすぎる国の言っていることが、全く解らなくなります。それを踏まえて、以降三国志関連のお話を続けたいと思っています。

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