文明の成立条件

 昔、文明が起こる条件として社会科の先生から聞いたことには、『長期保存のきく穀類こくるいが必要』と言われました。

 穀類というのは、米や麦、トウモロコシだけではなく、ジャガイモなどのイモ類も含まれます。何故かというと穀類に含まれる炭水化物たんすいかぶつ唾液だえき胃液いえきによって分解されて生成される「糖分(多糖類など)」が人間を動かすエネルギーだからであるからとのことでした。


 つまり車でいうところのガソリンにあたる糖類を生成する穀物を、長期間保存できないと、多くの人が、一つの場所に定住できないという意味でもあります。

 それが出来ない場合は、その場所を離れるか、遊牧民のような生活が必要となり、その場合の1つのグループは定住できずに大きな町を作ることができないというのがあります。


 じゃあ「モンゴル帝国」はどうだったのか?と言われると、あれもある意味遊牧の規模を延長したものであり、チンギスハーンの言葉とされるものでも「戦に勝ち、相手からすべてを奪うのが最高の喜びである」という、何かをつくり上げるという考えの全くない言葉が残っています。

 実際に彼がそう言ったのかはわかりませんが、遊牧という生活形式に、定住とそこに長期間にわたって何かをつくり上げる、という思想がなかったというのは見えるでしょう。


 そうやって考えると、世界的に文明と呼ばれるもので、エジプトとメソポタミアという文明がこの「長期間保存のきく穀類」を貯蔵できたのか?ということになります。

 現在の気候区分では、そのあたりは「砂漠地帯(高温乾燥地帯)なんて呼ばれています。降水量も年間で100mmあるかどうかという地域です。ですが、その地域にも文明の足跡としての遺跡いせきが多数発見されています。

 いくら歴史を捏造しようとしてもピラミッドみたいに今の重機を使った建設でさえ何年かかるか?という規模の遺跡を捏造はできません。

 ただエジプトのピラミッドに接している、スフィンクスには明らかに「雨水による浸食しんしょく痕跡こんせき」は残っているそうです。

 ということは、あの砂漠地帯は元々は違う気候区分だったのか?というはなしになり、今の気候に変わり、多くの人たちが定住できなくなったのか?と考えられます。

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