第4話
なんかとりあえず超能力仲間ができた。
あ!サルが逃げた!
いろんな障害物を器用に利用しながら逃げている。
自分たちとは反対方向にあるスーパー方面。
凄まじいスピードで犬型が追いかけていく!
ここから離れてくれるのはいいんだけど。
探索するならあいつ等とまた出会うことになるかも…
「私はこのまま気配を殺しつつあっちのほうを見てくる。あっちをお願いしていいかな?」
「OK、分かった。30分後くらいにまたここに戻ってくるつもりだけど…」
「うん、私もそれでいい。いったんまた集まってわかったこと報告するね。」
そういうと
彼女は1階のほうへ降りて行った。
左手にはデパートがある。
そこから右手のほうへ進んでいくともう一つデパートがある。
どうやらそちらに向かうようだ。
おれは2階から左手のデパートに入ろうかな・・・
ん?ちょっと待った。
…あのイヌ型のエイリアン。
サルが頭を潰したと思ったがまだ息がある…
イヌ型の体から出てきてる霊気の動きでなんとなくわかる。
とどめを刺しといたほうがいいのか?どうしよう。
武器なんてもってないしな…
デパート入口のすぐ近くににちょうど服屋があるから
そこで服をくすねる、ついでに物色する。
ここのブランド高いよな。でも結構お気に入り。
紺のパンツに紺のセーターでいいや。
靴も履き替える、あっちのデパートの靴売り場に頑丈な革靴あったな。
トレッキングシューズみたいにも使えそうなやつ。300ドルくらいのやつで家にもある。
店の中を物色する間も霊気の様子を頼りに索敵していく。
なんかコツがつかめてきてるがどこまで万能かわからない。
モップを見つけた。またモップか…。
モップのブラシ部分を外して槍のように構えてみる。
霊気を込めていってみるが、あまり込められい。
なんかでもモップが丈夫になった気がする。
今度はまとわせるように霊気を操作してみる。
うっすらと霊気が棒の周り、表面を流れていく。
とりあえず、空をついてみる。
ビュュン!!!!!!
かなり強そうな突きが出た。
……自分の体にも霊気を通す。
体に霊気がみなぎっていく。
もう一回。
ビュン!!!
もうちょっと、もう少し。
ビュュユユン!!!!
……これは、イヌでも倒せるんじゃないか?
あのイヌ型のところにいってみる。
犬型の周りの霊気が少しづつ抜けていってる。
まるでシャンパンの泡のように…
・・・ふぅ、よし。やるぞ。
棒を逆手にもって
棒の先端に霊気を多めにためる、さらにまとわせて犬の頭を突く!
ベシャッ!!
犬の頭部の3分の1ほどが爆発したように打ち壊された。
犬からこぼれ出ていた霊気がもっと出てきて俺の中に入ってくる。
あ、祈り?瞑想するか?
OK…
今まで取り込んだ感じよりさらに多くが入ってきてる。
頭がクラクラする。
少し酔うようなかんじ。
頭も体もジンジンする。心地いいけど何処かで身を隠しながら休もう。
右手の服屋の横にトイレがある。
霊気の流れが穏やかだし、危険ではないと思う。
そこの通路に入ってみる。
多目的トイレの引き戸の前に死体があった。
車椅子に座っている老紳士の死体。黒いスーツにハットの老人…
この通路に他にもいくつか死体はある。
が、車椅子に座してるこの死体から微弱な霊気を感じた。
……生きてるのか?
まじまじと近づいて老人がまとう霊気を観察してみる。
霊気を自分のほうに吸い取るように誘導していってみる。
ピクリと老人の死体が動いた。
死体がうっすらと目を開ける。
真っ赤な目だ。よろよろとこちらに手を突き出して立ち上がろうとして倒れた。
地面に突っ伏しながら手をこちらに向けてきた。手の中に何かある。
目が合った。
目で伝えてくる。
確証はないが、とどめを刺してくれ・・・だとおもう。
持っていたモップで老紳士の頭部を突く。
霊気を棒先から老紳士の脳にまで伝えて破壊するイメージ。
生々しい破壊音の後、霊気が放出された。
俺の中に霊気が入って来る。
だんだん頭がグワングワンしてきた。
あと老紳士の手の中にアンク?
あの円に十字がくっついてるようなエジプトの…
雰囲気のあるアンクのお守り?ネックレスのよな大きさではない。
シルバーで鎖がついていてスマホよりも大きい。
なんとなくアンクをポケットにしまう。
車椅子を拝借してトイレに入りカギをかける。
車椅子に座り、少し仮眠をとる。
眠気がすごい・・・
疲れた・・・
目が覚める、まだウトウトとしている。
意識がハッキリとしない。
暗い多目的トイレのなかだ。
あれ・・・
電気ついてなかったっけ、どっちだっけ覚えてない。
疲れた、車椅子から立ち上がるがすぐにトイレの床に
仰向けに寝転がる。
汚いがどうでもいい。心身ともにぐったりとしている。
床がひんやりとして気持ちいい。
しばらく神経が休まらない日々を送った後のような疲れを感じた。
ゆっくりと立ち上がる。
そのままトイレの角にいき壁に背を預けて床に座る。
瞑想でもしようかと思った時
ポケットに何かある・・・
アンクだ、あの老人のアンク。
何となくアンクを握りしめながら瞑想する。
脳をスイッチオフするような感じで休め、次は目の焦点を固定する。
次は額の肌の感覚と耳がどんな音をとらえているかに意識を持っていく。
適度な呼吸で脳に酸素を送る、吐き出したタイミングで脳がジンジンとし始める。
脳の後部と前部がマッサージされているような感覚になる。
集中が途切れたり強く集中しすぎたとき力を抜いて気楽に気長にまた始める。
脳に霊気が循環し始めた気がする。
それに体の霊気も整ってきた。
意識が鮮明になる。
時が停まった世界で自分がメンテナンスを受けているような感覚。
10分ほどそのまま瞑想を続けて切り上げる。
まだ本調子じゃないかも。
水・・・喉乾いたな。
水が欲しい・・・。
あ、あの子どうなった。
待ってるはずだ。戻んないと。
現実に引き戻される。
通路にあった自販機からミネラルウォーターをとりだす。
飲みながら屋上駐車場前の出入り口に向かう。
全体的に電気が消えてる・・・
非常灯とほんの少しの電気だけが点滅しながらついてるだけだ。
薄明りに溶け込むように気配を消しながら進んでいく。
なにか動くものが見えた
ネズミのモンスターだ。干からびたしたいに噛り付いてる。
そんなに大きくないな、25センチくらいか。
2匹20メーターくらいの距離があるけど全然おれに気づかない。
どのくらい気づかないのかな、もう少し近づくもう10メーターもないし。
視界に入ってるはずだが。
3,4メーターほど近づいてなにかに気づいたような様子を見せた。
もう一歩近づいた
瞬間
こちらに1匹が飛びかかってきた。
右手に霊気を込めて裏拳で弾くように頭部を打った。
ネズミはぐったりとして動かない。
もう1匹はあたりを見回してようやく俺に気づいて逃げ出そうとしたところを
逃がさずに棒で頭部を打ち壊す。
うっ・・・
なんか気持ち悪い、また魔力酔いか?
もう霊気でも魔力でもなんでもいいや。
ネズミ型からすこし魔力が入ってくる。
ポケットからアンクを取り出して呼吸を整える。
すこし楽になった。
駐車場出入り口に到着すると誰もいない。
まぁそりゃそうか。自分でもどのくらい寝てたのかわからないしな。
あの子もずっとは待ってられないだろうし。
まだ施設内にいるのか、それとももう外に出たのか。
てか名前聞くのもお互い忘れていた。はぁ・・・
その後ひととおりショッピングモールを探索して何匹かのネズミを倒してた時には9時を回ってた。
弱った犬型を発見してそれも倒す。
施設から出るまえに必要物資を車に少しづづ積みこんでいたところで。
お気に入りの靴も手に入れて履き替えたところで
待ち合わせ場所の手すり近くにメモ用紙に殴り書きがあった。
「何かに追われてる!またどこかで!」
何かに追われてる?おれが寝てた間に何かに遭遇したのか・・・
あの子大丈夫かな・・・
屋上駐車場から外を見ると人が見えない。
いったん家に帰ろう。
車を出そうとエンジンをかけた。
屋上から立体駐車場を車で降りていくと
巨大なクモがいた。
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