第5話
クモ型の化け物…
人間の死体?魔物の死体が…
蜘蛛本体と溶かされた死体?が集まって合体したような体。
ゾウほどの大きさの…
巨大蜘蛛が立体駐車場の天井に張り付いている。
こんな所でこっちはスピード出せないぞ、車を捨てたほうがいいか?
迷ってるうちにクモ型が飛び込んできた!
運転席から飛び降りて距離をとる。
クモが目の前で少しひるんだ。
???
化け物の体、日光に触れてるところから霊気が蒸気のような動きをしだした。
やはり光に当たらないようにさらに後ずさった。
あまりこちらには来たくない感じだ。
あの蒸気のように放出された霊気。
あいつ自身が弱体化するのか?日光に弱いのか?
化け物は俺とにらみ合ったまま動かなくなる・・・。
ていうかちょっと待て。
あの子が追われてるって書いてたのはこのクモ型のことか?
こいつ夜施設内にいたのか、そしてあの子を明け方前にみつけて追いかけたところ
ここで日の出が来てしまって、日当たりのいいショッピングモール施設内や屋外には出れなくなった…
それでこの立体駐車場に閉じ込められるような形になってしまったってことか。
えーと・・・ていうことはあの子がここを出てったのは明け方手前?
そしたらおれは6時間くらい寝てたのか、目覚めたときは5時半くらい。
もし予想が当たってるなら結構ニアミスだったな。
クモ型は反対の倉庫とかがある搬入口とかにいたのかもしれない。
そんなに日光が嫌ならあそこらへんがこいつの巣としては最適だろう。
とりあえず、車から飛び降りたときに放り投げたモップを拾い上げて
1ステップでクモの斜め前の日の当たる場所に距離を詰める。
クモの足の一つの関節付近を打つ。
足の関節が一撃でかなり破壊された、いける。
犬型よりは堅くて手ごたえはしっかりしてる程度。
そのままの流れでもう一発打つ!さらにもう一発!
クモ型の足が一つ半ばから千切れた。
と同時にクモがバックステップしながら口から糸を吐いてきた。
ギリギリでなんとか避ける。
車に糸が少しかかった、
ジュゥ!少しだけだがボンネットが溶けた?
チッ!
これ当たったらやばいぞ。
奥からもう一度糸を飛ばしてきた。
いったんクモの視界から消えるように日の当たる場所でなおかつ
クモから見えない場所に退避する。
落ち着いて気配を限界まで消す。
自分の姿が周囲に同化し溶け込み始めてゆく…
ふぅぅぅぅ、・・・まったく。
もう一度クモの前に姿を現す。
今度は見えてなさそうだ。
そのまま観察し続けるとしばらくしてクモが警戒を解いたかのようにもう少し居心地が良さそうな場所に体を移して休みだした。
近くにあった人間や魔物の死体を自分の体に糸で溶かしながら塗り付けている。
こいつ、なるほど日光に対する防護服だったのか。
俺の近くにはクモの足がある霊気が放出されてる。
これを吸い上げ始める。多分霊気はこれからも吸収してったほうが良さそう。
クモの足はカラカラに干からび始めた。
なんか堅そうな木のようなモンスターの死骸からできた謎素材だ。
これってあのクモが糸とかを使って改造?してるのか?
霊気で素材とか変化とか加工できるのか?
クモの足を拾い2階ベランダから1階に飛び降りてもう少し安全そうな場所を探す。
ふと空が暗くなった、
見上げると小雨が降り始めていた。
ちょっと薄暗くなってきたがこのくらいの明かりってあいつはどのくらい嫌がるんだ?
大丈夫だろうか。
ちょっと待て。今俺がするべきことは
安全の確保?安全な隠れ家を探す?あの子を探す?
まだ朝なのにこれ以上暗くなるとヤバいかもしれない。
雷雨が遠くに見えていた。
隠密モードで見つからずに行動できるのかも確信が持てるほどにはまだ分かってないし。
これからどうするべきか。
こいつから逃げてショッピングモール付近から離れて探索するか
それともそのまま家に帰るか。
でもどうしても行きたいのは業者用の搬入口。
あのクモ型、たぶんあそこに潜んでたんじゃないか。
やっぱり行ってみよう。
気配を消しながら1階から施設外側にいき建物反対側の一角を小走りで目指す。
小走りって言っても結構なスピードだが。
途中でまたネズミと犬を1匹しとめる。
ネズミはいいが、イヌはやっぱり少し怖い。
普通のイヌなんてもんじゃないほど強いからな。
搬入口はあの糸で出来たクモの巣やら人やら魔物やらの死体が数十はあった。
トラックが2台止まっていて鍵も見つけた。
クモが普段休んでそうな場所と関係者用の部屋に続く扉がある。
ふと外を見る。
雨が強まってきた・・・
施設のこちら側がどうなってるかも確認できた。
ここらの住人たちがどうなってるかはずっと気になってたし。
まさか人間文明が壊滅してるとかやめてくれよ。
いったん近くの警察署がどうなってるのか確認しに行くか。
もし生存者がいれば俺よりかは色々知ってるだろう。
ここら辺の大きめの警察署どこにあるか知らないんだよな。
しかも今ネットが機能してないみたいだし。
ショッピングモールから離れる前に登山用の服のブランド店から雨具を
拝借して必要物資をバックパックに詰め込み走り出す。
もっと都市の中心地のほうへ、南へ土地勘を頼りに向かう。
途中で警察署をみつけて立ち寄るも誰もいない。
銃だけもらっていってみるが、あの化け物にはてして効くのか…
やはり身体能力が凄まじく向上しているのを実感する。
小走りでも時速40キロは出てそうだ。
本気で直線を走ってみようかな。
盛大に転んだ。二足歩行じゃこれ以上の速さは段々きつくなってくるみたいだ。
結構これはコツがいるかもしれない。霊気の性質を変化させてグリップをよくしたり
工夫が必要だ。今の俺じゃそんなこと難しくて出来ないけど。
慣れてくればいつかできるかも。
霊気、めんどくさいマナって呼ぼうかな。魔力は?
わからない。
マナは食べれる、まとえる。あと何となく変化?変質?させれる。ぽい。ほんとうに少しだけど。
あとは何だろう。なにか強化されたりもだ。
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