第20話 今後の方針と、ついに王宮を出る?日

 米を食べて勢いで、そのまままた世奈の部屋に戻る。


 「じゃ、明日からの方針を決めよう。」

 

 千夏が仕切ってくれたのは、『ライス効果』か?

 日本人にとっての米、すっげぇ。


 取り合えず、世奈息子の首が座ってしっかりとするまでは、王宮を拠点に城下にいる先輩勇者達を訪ねてみることになった。


 千夏は城下の拠点に戻るのを止め、王宮の客間を1つ借りた。


 饅頭に交渉し、私や世奈が借りているセミスイート……より更に上の、公爵や侯爵、野に下った王族専用のスイートルームを借りてきた。

 

 こっちには台所がついている。


 「で、世奈親子にはこっちに移ってもらって、わたしがこの部屋は貰うから。」

 「え?」

 「なんで?」

 「勇者探しって言っても、生まれたての子は連れ歩けないし、ここ半年くらいは世奈は留守番。しっかりちび育てて。」

 

 世奈親子が城に残り、

 「その代わりご飯作って。」

 だって。


 「ああ、そうそう異世界人達に見せられないし、米料理は部屋に隠れてしてもらう、と?」

 「うん、そう。」

 「わかりました。」

 「なら、和風調味料も食料だし、あとで召喚するわ。」


 醤油に味噌、めんつゆ、乾物……


 いやあ、夢が広がるね。


 「で、私らは城下に出て勇者に会うわけだけど、城下町には誰がいるの?」

 「んー、結界システム構築の功労者の、18号、24号、25号。あと、確か7号と、市場のほうに3号もいるかな?

 私が知っているだけでもこれくらい。」

 「はい‼3号に会いたい‼」

 「……先に18号達だろう、どう考えても。」

 

 以前千夏に聞いたメンツ。

 魔石召喚を提案した7号。

 システムの功労者、18号、24号、25号。

 そしてトイレットペーパー兄さんな3号‼

 

 有益な情報は出てくるか?

 とにかく、明日から動き出そうと思う。


 最後に1つ確認する。


 「ねえ、世奈。」

 「はい?」

 「ちび、名前決めた?」

 「あ、うん……」

 「このままだと坂谷ちびになるから、教えて?」


 ちょっとだけ躊躇った少女は、

 「ハイ」と、答えた。

 

 「坂谷ハイです。」

 「ハイって?」

 「この子の親、勝斗って言うんだけど、まったく『勝』じゃ無かったから。この子は敗けるで『ハイ』。

 全く逆の人生になるように。」


 うん。また闇が出たね、世奈ちゃんや。


 「ま、いいんじゃない?」

 千夏が言った。

 「高いって意味の『ハイ』もあるし。」


 確かに。


 「肯定の意味の『ハイ』もあるし。」

 私も言った。


 ……サカタニ・ハイ(0)……

 職業  勇者(プラス)


 体力  SSS

 魔力  A

 力   SSS

 知力  S


 ハイは、パワー特化型になりそうだった。

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