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歳の離れた従姉妹の姉を想像しながら夢中で手を動かした。三十秒程で下腹部が痛み始め、そしてそれは瞬く間に快感へと変わり、ユウタは絶頂を迎えた。
下半身がどくどくと脈を打っているのを感じつつ、けれど愉悦の時間がそんなに長く続かないことにユウタは小さく嘆息する。
用意していたティッシュペーパーで簡単に後処理をした後、仰向けになり乱れた息を整える。全身の筋肉が弛緩し、頭がぼおっとしているのがわかった。
そのぼんやりとした意識の中に、確かな罪悪感と後悔の念をユウタは自覚する。自慰行為後に必ずやってくるその感覚は、当然心地良いものではなかった。
とりわけ従姉妹の姉を相手にした時は、いくら妄想とはいえ強烈な自己嫌悪に陥る程気分が悪かった。しかしそれでもユウタは従姉妹の姉を毎回選ぶのだった。
厄介なことにその従姉妹の姉は、周りにいるどの女よりも綺麗で美しく、そしてあまりにも叔母に似ているのだった。
不意に、ボーン、ボーン、と、時計の鐘の音がひっそりとした室内に鳴り響いた。
そのとても穏やかで静かな音の中に、非常に激しく、それでいてとても繊細で、心寂しいリアルな現実をユウタは感じ取る。
気付くといつもの時間だった。ともかくあの場所へ行かなければならない。
ユウタは急いで服を着る。ここから皆がいる場所はそんなに遠くはない。居ても立っても居られず弾かれるようにして家を飛び出した。
外は既に暗く、湿気を含んだ夜の空気が身体全体にまとわりつく。近頃こうやって自分を包み込む濃い暗闇は、日に日にその深度を増しているように感じられる。
空になった駐車スペースを横目に、ユウタは無心で足を動かし続ける。
闇夜の中に潮の香りがどこまでも拡がっている。
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