恋人は宇宙人だった
かきぴー
第1話
「あなた、今夜の月が綺麗だね。」
私は彼女と手を繋ぎ、夜の空を見上げていた。
「ねえ、私たちってこんなに綺麗な星空を見ながら過ごすこと、宇宙人の恋人がいたら当たり前のことだよね?」
彼女は冗談めかしてそう言った。
「え?宇宙人って何?」
私は彼女の言葉に戸惑い、彼女を見つめた。
彼女は微笑みながら、こう言った。
「私、実は宇宙人なんだ。」
彼女の真剣な表情を見て、私は呆然としていた。
彼女は続けた。
「地球に来た理由は、人類を観察すること。でも、あなたに出会って、地球に留まることを決めた。」
私たちはそこから、宇宙人と地球人という違いを超えて、お互いを理解し合って、深く愛し合うようになった。
しかし、ある日、彼女は突然姿を消してしまった。
私は彼女の居場所を探しまわったが、どこにも彼女の姿はなかった。
そして、彼女からの手紙が届いた。
手紙にはこう書かれていた。
「地球に留まることを選んだ私だけど、実は私が観察するのは人類ではなく、地球そのものだった。地球がとても美しい星だということを、私はこの地球に来て知った。だから、私は地球を綺麗に保つため、私たちが生み出した汚染物質を取り除くために、永遠に地球を周回することになった。でも、私はあなたのことを決して忘れない。愛している。」
私は手紙を読み終わった後、涙を流しながら、星空を見上げた。
そこには、いつものように美しい月と、彼女が残した足跡があった。
恋人は宇宙人だった かきぴー @kafka722
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