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今度はなんでなんでが頭の中で渦を巻く。頭を抱えながら教室に戻ったら、男子達に心配されて私は促されるまま保健室のお世話になることになった。
「熱はないみたいだけど、具合悪いなら無理せず少し休んだら?」
「はい♡ありがとうございまぁす。」
しおしおとベッドへ直行して、カーテンを閉めるなり音を立てない程度に勢いよくベッドイン。頭から布団をかけて蹲ったけど、私の目はギンギンに冴えていた。血走ってんじゃないかってくらい。
どうして私がウルトラ可愛い私が、H2Oに無視されたからって落ち込んでんの???
残材にされたことへの怒りならまだわかる。姫様の危機に塩対応なんて!ってことでしょ?
でも無視されて寂しいって!!ガッカリって!!
意味がわからない。不可解すぎる。
それじゃまるで、まるで私…
「奴らのこと、好きみたいじゃん…」
…。
……。
……………。
気持ち悪ッ
はー、ビックリした。自分で言っておいてなんだけど、悪寒がした。鳥肌が立った。先生、やっぱり熱があるみたいなんで体温計くださーい!!
混乱するままに体温計をもらって脇の下に挟む。予測式の体温計は10秒足らずで電子音を鳴らしてきた。
36度5分。うん、平熱。
そうとわかれば布団の中で再び頭を抱える。いくら考えても寂しい、ガッカリ議論は堂々巡りで答えが出ない。一度溜息をついて落ち着きを取り戻す。そうだ、迷った時は原点に立ち返ろう。
H2Oは、私の女への復讐計画に必要なエサだ。H2O自体にも仕返ししてやりたい気持ちもあるけど。
…でもそれなら、なんで。
ああっ、また思考が元に戻った!
もどかしさにベッドを何度も殴る。年季の入ったスプリングは私の苦悶を受け止めて、ギシギシと唸った。
じゃあ、前提が違うの?
それなら、奴らは私にとっての何?
「私は、奴らにとっての何…?」
どうやら私は、さっきとは違う迷宮に迷い込んだらしいー…。
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