18


次の日から、私の猛攻撃は始まった。


「おはよう♡」


可愛い可愛いソプラノボイスに約一名を除いて誰もが振り返る。


「おはよ~藤澤ちゃん」


へらんと笑うへらへらはひらんと愛想よく手を振り返す。


「おはよ、榛名君。広瀬君に近江君もおはよう♡」


さりげなーく挨拶を強要するように強調すると、金髪の嫌なものを見る目がさらに険しくなる。


「てめーまた来たのかブス!昨日で懲りろ!」

「やだぁ、ブスなんてひどーいっ!」


胸のあたりで拳をくっつけて定番のぶりっこポーズ。


私決めてるんだ。


コイツを落としたあかつきには、まず最初に思いつく限りの罵詈雑言を浴びせてやるって。


「気持ちわりー」なんて騒いでるバカをスルーして、挨拶はもちろん罵声も返ってこない男の隣に張り付く。


「近江君、昨日はごめんね?」


無視。


「ズボンの替え、あったんだね!よかったぁ。」


無視。


「あの…怒ってる?」


無視。


「近江君…っ」


無視、無視、無視。


なんなんだコイツは。しまいにゃ虫になるんじゃないの。

おっと、つまんないオヤジギャグだったか。


「…って、あれ?」

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